足のイボはウイルスによる感染症。よく似ている魚の目とタコとの見分け方/魚の目・タコ・イボ

いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?

実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。

魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。

pixta_43031030_S.jpg前の記事「魚の目やタコは自分で取れる? そのうち治る? 魚の目とタコのQ&A/魚の目・タコ・イボ(12)」はこちら。

 

イボは削ると血が出るのが大きな特徴です

魚の目やタコによく似た足の裏のできものに、イボがあります。皮膚が硬く厚くなってきたので魚の目かタコだと思っていたら、実はイボだった、ということもよくあります。特に子どもの足は魚の目やタコができづらいので、足裏の角質が厚いなと思ったら、集団生活の中で他人からイボがうつったと考えていいでしょう。

イボは、ウイルスの感染によって発症する感染症の一種で、医学的には「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」といいます。足のアーチ構造の崩れや靴などが原因で起こる魚の目やタコとは全く違うものですが、医療関係者でなければ、外見で見分けるのは難しい場合が多いです。

魚の目やタコとの最も大きな違いは、削ると血が出ることです。

「イボは、皮膚の小さな隙間にヒトパピローマウイルスというウイルスが入り込み、それに感染した細胞が増殖した状態です。このウイルスは周囲の血管を引き込みながら増殖していくので、削ると血が出るのです。また、数が増えたり、範囲が広がったりする場合は、イボである可能性が大きいといえるでしょう。その人の体や皮膚の免疫力によって、最初にできた箇所の周囲に数が増える場合もありますし、手に感染する人もいます」(桑原先生)

ウイルスの型と発症する場所によって、「足底疣贅」「点状疣贅」「ミルメシア」といった名前がつけられていますが、発症の仕組みや症状はほぼ同じです。また、足の裏の「粉瘤(ふんりゅう)」という、皮膚の下のできものとなる場合もあります。

魚の目やタコは、主に体重の負荷や靴の圧迫など力がかかる場所に発症しますが、イボはウイルスの感染によって起こるものなので、基本的に外部からの力は関係ありません。例えば、体重を受けない土踏まずに何かできている場合、それはイボである可能性が高いでしょう。


【主な見分け方】

■魚の目・タコ
【原因】足のアーチの崩れ、合わない靴、正しくない姿勢や歩き方
【痛み】魚の目はあり
【削ったとき】血は出ない
【他人への感染】しない

■イボ
【原因】ウイルスによる感染
【痛み】なし
【削ったとき】血が出る
【他人への感染】する


【主な原因】

銭湯やスポーツジムなど、はだしで床や足拭きマットを共有する施設などで感染します。子供の場合はプールで感染することも多い他、ウイルスが原因なので、家族間で感染することも多くあります。

魚の目やタコができているところにはイボも出やすいといわれています。本来、皮膚はウイルスに感染しないように皮膚のバリア機能(免疫力)が備わっていますが、魚の目やタコ、靴ずれなどがあってバリア機能が弱っている部分があると、皮膚の免疫力が落ちてウイルスが侵入しやすいのです。

特に、糖尿病など他の病気を抱えている場合は、皮膚のバリア機能も落ちてウイルスに感染しやすく、治るのも時間がかかるので注意しましょう。

 

次の記事「イボの疑いがあるときはまず皮膚科へ。治療法と感染の予防法は?/魚の目・タコ・イボ(14)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

桑原 靖(くわはら・やすし)先生

足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長。2004年、埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外科医長、フットケアの担当医を務める。日本に足を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに問題意識を持ち、2013年、足の医療に特化した「足のクリニック 表参道」を開院。専門医、専門看護師、足専門理学療法士などによるチーム医療で足の総合診療を行っている。年間約6,000人、これまでに延べ30,000人近くの患者を診察。著書に『元気足の作り方 美と健康のためのセルフケア』(NHKまる得マガジン/NHK出版) 、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)他。

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