辛い口内炎による痛みを和らげる薬ってどんな薬? 形状と成分を知ろう/口内炎

口内炎とは、口内の粘膜にできる炎症の総称です。頬や唇の内側、舌、上あごなど口内のあらゆる粘膜に炎症を起こす可能性があり、食事をすることがつらくなったり、人と会話をすることがおっくうになったりするなど、痛みや不快感でQOL(生活の質)を低下させます。口内炎といっても原因はさまざま。それぞれ治療方法が違うので、原因に合った治療をすることが大切になります。

さまざまな口内炎の原因、症状、治療法、予防法などを、鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授の中川洋一先生にお聞きしました。

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口内炎による痛みを和らげる薬とは?

最も一般的な口内炎は「アフタ性口内炎」で、1週間~10日間ほどで自然に治りますが、痛みが強い場合は食事をするのが辛かったり、人と会話するのもおっくうになってしまったりと、日常生活に支障を来します。

「アフタ性口内炎」の場合は原因が不明なため、治療薬は痛みや炎症を和らげるものが中心となります。疲労やストレスの蓄積で免疫が低下したときなどに現れやすいので、生活習慣を改善することも大切です。

どのようなタイプの薬があるか、形状別に見てみましょう。

●内服薬
口内炎ができた場所、サイズにかかわらず使える。炎症を和らげるトラネキサム酸や、粘膜を強くしたり、肌の代謝を促したりするビタミンB2 やB6が含まれる薬もある。ステロイド入りの抗炎症剤にはデキサメタゾン(デカドロン錠)やヒドロコルチゾン(コートリル錠)がある。

●貼付(ちょうふ)剤
患部にシールを貼ることで、患部に直接作用して痛みや腫れを和らげる。患部を保護するので、食べ物の接触による痛みがあるときや、飲み物がしみて辛いときに、痛みを和らげることができる。患部が小さい場合に適している。口の中を清潔にして、患部についている水分を軽く拭き取ってから患部に貼る。ステロイドを含むものと含まないものがある。ステロイド入りにはトリアムシノロンアセトニド(アフタシール、アフタッチ口腔用貼付剤)がある。

●軟膏剤
炎症が複数起きている場合に使う。貼付剤と同じように患部を保護できる。患部に直接作用して痛みや腫れを和らげる。ステロイドを含むものとそうでないものがある。ステロイド入りには、デキサメタゾン(アフタゾロン口腔用軟膏)やトリアムシノロンアセトニド(オルテクサー口腔用軟膏)、ヒドロコルチゾン酢酸エステル(ヒノポロン口腔用軟膏)がある。ケナログA口腔用軟膏は2018年6月に販売中止になった。

●噴霧剤
粉状の口内炎治療剤を噴霧器で患部に吹きつけるタイプ。指では塗りにくい場所に炎症があるときに使う。ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(サルコートカプセル外用)がある。

●含漱(がんそう)剤(うがい薬)
消毒薬入りと抗炎症薬入りがある。消毒薬入りには、ポピドンヨード(イソジンガーグル液7%など)やベンゼトニウム塩化物(ネオステリングリーンうがい液0.2%、ベンゼトニウム塩化物うがい薬0.2%)があり、口腔内を消毒することによって、口内環境の悪化を防ぐ効果がある。抗炎症薬入りには、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(アズノールうがい液4%、アズガグルうがい液T4%など)があり、炎症を抑えるほか、アレルギーを抑えたり、傷を早く治したりする効果が期待できる。

●トローチ
口の中を清潔に保つ。消炎成分や殺菌成分が含まれる。アズレンスルホン酸ナトリウム徐放性挿入錠(アズノールST錠口腔用5㎎)がある。

 

「口内炎の薬の中にはステロイドを含むものがありますが、カンジダ性口内炎やヘルペス性口内炎など微生物性の口内炎の場合は症状が悪化してしまう危険性があるので、ステロイド入りは使わないことが大切です。また、2週間以上治らない場合は、口腔がんなど深刻な病気が隠れている場合があるので、口腔外科、耳鼻咽喉科、歯科などを受診しましょう」(中川先生)
 

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取材・文/古谷玲子(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

中川洋一(なかがわ・よういち)先生

鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授。1980年鶴見大学歯学部卒業。2002年同大学附属病院専門外来(現・口腔機能診療科)。日本口腔外科学会認定口腔外科専門医・指導医。著書に『チェアサイド・介護で役立つ口腔粘膜疾患アトラス』(クインテッセンス出版)などがある。

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