ひとくちに口内炎といっても、原因によって症状も治療法もさまざま。口内炎の原因別タイプとは?/口内炎

口内炎とは、口内の粘膜にできる炎症の総称です。頬や唇の内側、舌、上あごなど口内のあらゆる粘膜に炎症を起こす可能性があり、食事をすることがつらくなったり、人と会話をすることがおっくうになったりするなど、痛みや不快感でQOL(生活の質)を低下させます。口内炎といっても原因はさまざま。それぞれ治療方法が違うので、原因に合った治療をすることが大切になります。

さまざまな口内炎の原因、症状、治療法、予防法などを、鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授の中川洋一先生にお聞きしました。

 

pixta_44209414_S.jpg原因別に症状や治療法も異なる

口内炎とは、頬や唇の内側、舌、上あごなど口内のあらゆる粘膜にできる炎症の総称です。原因別に症状や治療方法が異なる口内炎にはどのようなタイプがあるのか見ていきましょう。

最も一般的な口内炎は「アフタ性口内炎」で、明確な原因は不明ですが、疲労やストレスの蓄積で免疫力が低下したときにできやすいとされています。

「免疫力が低下すると抵抗力が下がり、口内に細菌が繁殖しやすくなることから、炎症性のアフタ(潰瘍)が現れるといわれていますが、正確な原因は解明されていません。アフタは直径数ミリの円形や楕円形で、真ん中が白く、その周りを赤色が取り囲んでいます」(中川先生)

ほかに、外傷によって起こる口内炎もあります。矯正器具や義歯が口に中にあたる、食事中に誤って頬の内側を噛んでしまう、やけどをするなどして、口内の粘膜が傷つき、ときにそこから細菌が入り感染することがあります。

また、歯を治療した際のかぶせ物、詰め物、矯正器具や義歯の金属などによるアレルギー反応で炎症が起こるタイプもあります。外傷性やアレルギー性の場合、粘膜が腫れて表面が赤くなる「カタル」、粘膜の表面が削れてただれる「びらん」、上皮組織より深い結合組織まで削れる「潰瘍」の状態となって現れます。

ウイルスや真菌など微生物の感染が原因で起こる口内炎もあります。単純ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇ヘルペス)」、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染が原因の「帯状疱疹による口内炎」などのほか、カビの一種であるカンジダ菌の増殖によって発症する「カンジダ性口内炎」などがあります。

「カンジダ性口内炎や帯状疱疹による口内炎は、加齢による免疫力の衰えとともに増える口内炎なので、高齢者は特に注意が必要です」(中川先生)

口内炎のほとんどは1週間~10日間ほどで自然治癒しますが、疲労やストレスの蓄積が改善されない、栄養バランスの偏った食生活が続いている、歯磨きなどを怠って口内が清潔に保たれていない、風邪や花粉症などで鼻がつまって口呼吸になることで口内が乾燥して細菌が増殖しているなどの場合は、長引く場合があります。

「外傷性やアレルギー性による口内炎の場合は、まず義歯やかぶせ物を調整するなど、原因物質を取り除くことが先決です。接触による痛みを和らげることができれば、心理的にも楽になります」(中川先生)

症状が軽い口内炎の場合は、うがいや歯磨きなど口腔ケアを心がける、生活習慣を改善するなどのほかに、痛みや炎症を和らげる市販薬やビタミン剤などを使って、様子をみることもできます。

 

次の記事「辛い口内炎による痛みを和らげる薬ってどんな薬? 形状と成分を知ろう/口内炎(2)」はこちら。

取材・文/古谷玲子(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

中川洋一(なかがわ・よういち)先生

鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授。1980年鶴見大学歯学部卒業。2002年同大学附属病院専門外来(現・口腔機能診療科)。日本口腔外科学会認定口腔外科専門医・指導医。著書に『チェアサイド・介護で役立つ口腔粘膜疾患アトラス』(クインテッセンス出版)などがある。

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