スクワットで下半身を鍛えれば、骨盤底筋の緩みも解消する!/尿もれ

スクワットで下半身を鍛えれば、骨盤底筋の緩みも解消する!/尿もれ pixta_33881616_S.jpg「くしゃみをすると尿がもれる」「頻繁にトイレに行きたくなる」など、尿トラブルは誰にでも起こることです。女性は男性に比べて尿道の長さが短く、また出産などで骨盤底筋が緩んだりするため、排尿のトラブルが起こりやすくなります。しかし「尿もれ」はデリケートな悩みのため、病院へ足を運ぶことをためらう人も。

そこで今回は、尿もれや頻尿などの尿トラブルの改善法を、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長の奥井識仁先生と、セントソフィアクリニック院長の伊藤知華子先生のお二人に伺ってみました。

前の記事「お腹ぽっこり、お尻が垂れてきた。骨盤底筋が緩んでいるかもしれません/尿もれ(3)」はこちら。

 

骨盤底筋を鍛えるには下半身の筋力をアップ!

骨盤底筋の緩みが、尿トラブルの原因になるとお話ししました。
では、緩んでしまった骨盤底筋を強化するには、どうしたらよいのでしょう? 奥井先生に伺いました。

「尿もれには複数のタイプがありますが、その原因には共通することがあります。まずは、膀胱周辺の筋力の低下です。強度な筋力があれば、強い尿意を感じても、もれることはありません。次に、膀胱周辺の血流の悪化。血行が悪くなれば、当然骨盤は冷えやすくなり、尿トラブルを招きます。三つ目はホルモンの乱れです。特に更年期以降の女性は、ホルモンの量が減ることで、筋力がさらに衰えやすくなります。これらの改善が、尿もれの改善につながります」

関連記事:「「ちょいもれ」は筋力低下のサイン! その尿もれは少しの体操で防げます/尿もれ(1)」

では、筋力、血流、ホルモンバランスの改善には、どのように取り組めばよいのでしょう?
そのために有効なのが、スクワットです。「実は、お尻の筋肉や太もも周り、股関節周りの筋肉は、間接的にではありますが、 骨盤内の臓器を支えています。 スクワットで下半身を鍛えると、 お尻と下肢をつないでいる血管が太くなり、同時に筋肉も太くなります。つまり、スクワットで下半身の血管を太くして強い筋肉をつくることが、骨盤底筋群を鍛えることになり、尿もれの予防につながります」

尿のトラブルを気にせず、健康的な暮らしを手に入れるためには、体を動かすことが最も有効な手段の一つです。また、スクワットなどの体操で骨盤底筋を鍛えれば、便秘や冷え性の改善も期待できます。

「どうしてもスクワットができないという人は、お風呂で体を温めることを習慣にしてください。冷えを解消することは、尿もれの改善にも有効です」

次の回では、スクワットとともに行いたい骨盤底筋を鍛える体操もご紹介します。まずは できそうな動きを、無理のない回数からでかまいません。毎日続けることを目指しましょう。下半身の筋力が強くなれば、尿トラブルは必ず改善します。

 

次の記事「基本のスクワットがお尻の筋力アップに効果的。 寝たままできる体操も♪/尿もれ(5)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美) 

 

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奥井識仁(おくい・ひさひと)先生

よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長。東京大学大学院医学系修了。ハーバード大学臨床留学、ブリガム&ウイメンズ病院で女性手術を学ぶ。専門は骨盤臓器脱。年間800件に及ぶ尿失禁手術を行う。


 

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伊藤知華子(いとう・ちかこ)先生

セントソフィアクリニック院長。名古屋第二赤十字病院産婦人科、成田病院勤務を経て、米国サウスカロライナ医科大学生殖遺伝学教室留学、2008年より現職。専門は婦人科。生殖医療専門医。

この記事は『毎日が発見』2018年7月号に掲載の情報です。

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