年齢とともに起こる、デリケートゾーンの変化とは?/外陰部のトラブル

かゆみや痛み、腫れなど、外陰部(女性性器)のトラブルは、放置すると重大な病気につながることがあります。その反面、清潔を保ったり、日常生活を見直したりすることで、十分に予防できる病気や症状も少なくありません。まずは、外陰部についての正しい知識を身につけ、トラブルが起きているのかどうか判断できることが大切です。

自分の体を守るために知っておきたい外陰部の病気への対応や予防法を、セントソフィアクリニック婦人科院長の伊藤 知華子先生にお伺いしました。

pixta_6754322_S.jpg前の記事「妊娠中の性感染症は胎児への影響も。発症を防ぐ方法は?/外陰部のトラブル(13)」はこちら。

 

年代による体の変化を知って外陰部の病気を防ぎましょう

女性は年代によって女性ホルモンのバランスが変化し、その変化とともにさまざまな体の変化やトラブルが出てきます。外陰部の変調もその一つ。しかも、女性の外陰部は、常に下着やナプキン、おりものシートなどに覆われ、湿気がこもりがち。その結果、かゆみや痛みといった人には相談しにくい悩みもつきません。ここでは、年代による外陰部の変化を知りましょう。


●10代(思春期)
10代前半には初潮を迎え、女性ホルモンが増加します。体は丸みを帯び、女性らしいスタイルになっていきます。この頃はまだ女性ホルモンの分泌が不安定なため、生理不順になったり、おりものが急に増えることもあります。また、生理痛、過度なダイエット、セクシュアルデビューで性感染症への罹患など、体のトラブルも増える年代。汗や皮脂の分泌が活発で、外陰部のにおいやむれが気になり始める人も多くなります。

●20代~40代前半(成熟期)
妊娠・出産に必要な体の機能が整う大切な時期で、卵巣機能が活発になります。女性ホルモンの量のピークは30代半ばで、おりものの量も増えてきます。ストレスや不規則な生活習慣によって、ホルモンバランスが乱れやすくなるのもこの年代。カンジダ膣炎や生理痛、PMS(月経前症候群)といった症状が強く出る人もいます。外陰部のにおい、むれ、かゆみ、おりものに対する悩みはこの年代が最も多くなります。

●40代半ば~50代後半(更年期)
女性ホルモンが減少し、更年期を迎える年代です。更年期症状をはじめ、今まで感じなかった不調を感じやすくなります。外陰部は乾燥しがちになり、刺激に弱くなります。さらに、おりものや粘液が少なくなり、かゆみやかぶれを感じやすくなる人も多いようです。次の回で紹介する萎縮性膣炎を発症するのも、更年期前後となるこの年代です。下着は通気性のよい綿100%にする、体を締め付けるガードルははかないなどの工夫が必要です。

●妊娠・出産後
妊娠中は、胎児を細菌から守るため、おりものの量が増えます。また、子宮の重みで膀胱が圧迫されたり、出産時のいきみで尿道周りの筋肉が疲弊して尿漏れを起こすこともあります。この時期はホルモンバランスが変化しやすく、免疫力も低下しやすいため、カンジダ膣炎や性感染症などにかかりやすくなります。

 

「年代によって外陰部のトラブルはいろいろです。たとえば、カンジダ膣炎の発症は20代~40代と年齢層が広めで、抵抗力の弱い妊婦もよくかかります。女性の場合、性感染症にかかるのは20代が多いですが、年々低年齢化しており、10代の患者さんも珍しくありません。更年期以降は女性ホルモンが減ることで起こる萎縮性膣炎の人がぐんと増えます。年代に応じて女性の体は変化することを理解して、栄養バランスのとれた食事や良質な睡眠など、できるだけ病気にならない生活習慣を身につけましょう」(伊藤先生)

 

次の記事「外陰部がヒリヒリと痛む、出血する...それって萎縮性膣炎かも/外陰部のトラブル(15) 」はこちら。

取材・文/寳田真由美

 

伊藤 知華子(いとう・ちかこ)先生

セントソフィアクリニック婦人科院長、医学博士。名古屋第二赤十字病院産婦人科、成田病院勤務を経て、1997年米国サウスカロライナ医科大学生殖遺伝学教室留学、1999年成田病院帰任、2008年より現職。専門は婦人科。生殖医療専門医。

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