高齢者の排泄トラブルには3つの原因があった! 原因を知って対策を

pixta_17690768_S.jpg尿漏れや便漏れなどの排泄トラブル。歳だから仕方ない......と後回しにしがちですが、健康で快適な暮らしを送るには避けては通れない問題です。そこで、ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所の梅林真紀さんに現代の排泄事情からケア方法までを伺いました。

前の記事「「とりあえずトイレ」は実はNG!?40代から向きあう尿漏れ対策(1)」はこちら。

 

高齢者に多い尿漏れの3つの原因

加齢とともにトイレが近くなったり、尿漏れの回数が増えるのは仕方のないこと、とあきらめているかたもいるかもしれません。でも、そのまま放置しておくと、認知症にもつながりかねない、ということをご存じでしょうか?

「尿意を感じる、自分でトイレに行く、排泄して拭く、排泄物を処理する、元いた場所に戻る。この一連の流れが排泄行動です。どれかひとつでも自分で思うようにできなくなることが『排泄障害』です。高齢者の排泄障害の主な原因は、大きく分けて3つあります」と、梅林さん。

●運動機能低下
足腰が弱っているため、トイレまでスムーズに行けずに間に合わないケースをはじめ、ひざや腰が痛くて便座に上手に座れない、手が届かずおしりがちゃんと拭けない、なども身体の運動機能が低下しているために起こります。

●認知機能低下
尿意があってもトイレに行くという行動につながらなかったり、トイレに行きたくてもどこにあるかわからなくなる、排尿したことを忘れてしまう、など認知機能が低下しているために起こります。

●排泄機能低下
排尿は脳から出る指令でコントロールされています。そのコントロールが脳梗塞の後遺症や神経の病気などでうまくいかなくなり、膀胱が勝手に収縮してしまうために起こります。男性の場合は前立腺肥大症も原因のひとつです。

「もちろん、尿漏れだけではありません。便漏れも含めての『排泄障害』です。おなかが緩いときなど我慢できずに便を漏らした経験がある人は、20~79歳の男女の5人に1人いるという調査結果もあるほど。

尿漏れや便漏れが気になって外出しなくなると、運動量が低下して足腰がさらに弱まり、健康寿命がどんどん短くなってしまいます。生死に関わることではないからと重要視しないのは大きな問題。人としての尊厳に大きく関わることですし、何よりも生活の質「QOL=Quality of life(クオリティ オブ ライフ)」が損なわれます。元気に快適に暮らすためにも、恥ずかしがらずに排泄ケアに向き合いましょう」

 

次の記事「排泄トラブルを放置すると健康寿命が短くなる? 進化したケア用品を活用しよう(3)」はこちら。

取材・文/岸田直子

<教えてくれた人>
梅林真紀(うめばやし・まき)さん

ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所 研究員。看護師。全国の施設・病院で排泄ケアの実態を調査しながら、紙パンツを使ったトイレ誘導・自立排泄支援の普及活動に携わる。元気なシニア向けの尿漏れ防止講座、紙パンツの使い方講座などの講師として全国を飛び回っている。

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