長時間のデスクワークは代謝を落とす→老化につながる!/最強の体調管理

最近イライラすることが増えた、人の話をしっかり聞けなくなった、「つい」口が滑ってしまうことが増えた......。こんな行動が気になってきたあなたは、もしかしたら「老け込み度」が高くなっているのかもしれません。
こうした「老け込み」から回復する方法はあるのでしょうか?実はその秘訣が「東洋医学」にありました!国内屈指の鍼灸師が教える「中長期的な体調管理」の方法を、セルフメンテナンスの具体例を交えてたっぷりご紹介します。

※この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(中根 一/KADOKAWA)からの抜粋です。

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前の記事「「肝・脾・肺・腎」、自分の体質に合わせた自己治癒力を発揮しよう!/最強の体調管理(3)」はこちら。

 

身体が衰えると自律神経が乱れ「腰痛」を引き起こす

総務省労働局の2018年1月の労働力調査によると、日本で就労している人の割合は59.1%で、男女ともにその半数が「デスクワーカー」だと言われています。デスクワーカーが慢性的に自覚している症状としては、男性では腰痛が1位、女性では2位に挙げられています。彼らの腰痛のほとんどは、デスクワークによる「姿勢の悪さ」が原因だと考えられます。

また、1995年にスイスのチューリッヒ大学で行われた研究によると、椎間板ヘルニアの痛みで苦しんでいる人たちの内、実際に神経が圧迫されたことによって痛みを感じているのは30%、残りの70%に近い人たちの腰痛の原因は、心因性ストレスだということが判明しました。一方で腰痛は必ずしも姿勢が悪いことだけが原因ではないのです。

 

心因性ストレスが腰痛を引き起こす
腰痛を引き起こしている心因性ストレスが、自律神経の働きを低下させているのです。私たちは、身体を緊張させたり、リラックスさせたりして全身をコントロールしていますが、ストレスを感じると、心拍数は増え、手足の血管が収縮を起こし、血圧は上がり、胃腸の働きは低下して発汗が促進します。

また、ストレスのかかった身体は「筋肉の緊張」を引き起こします。筋肉に負担をかけているのは姿勢の悪さだけではなく、心理的なストレスも関係していることを忘れてはいけません。継続的にストレスを感じている身体では、脳内のドーパミン量が減り、心身の元気を失わせます。ドーパミンとは、「痛みの感覚を抑える作用」があるホルモンですが、老化によってもドーパミンが減少するので、加齢で腰痛が慢性化していくのです。

 

見た目が「老けている」と心身は不健全

マラソンやボクシングなど、持久力が求められるスポーツでは、「アゴを上げるな」と言います。アゴを上げると背中・腰・膝が曲がり、下腹が前に出て重心が下がってしまいますが、スタミナが切れてくると、よりたくさんの酸素を吸い込むために、本能的にアゴを上げてしまうのです。背中や腰・膝が曲がってアゴを突き出したこうした姿勢は、体力が落ちて老け込んだ時の姿勢と同じです

アゴが出た姿勢のままでいると、背中の筋肉が緊張した状態となり、交感神経が強く働いて、身体が興奮した状態を維持します。それにより、筋肉が硬くなり血管を締め付けてしまい、十分な血液が巡らなくなって、血圧が上がったり、胃腸の働きが低下したりする可能性が高くなります。これでは、身体が一向に休息できません。

 

長時間同じ姿勢のデスクワークが代謝を落とす
特に、長時間、同じ姿勢で固定される確率が高い、デスクワークはさらに身体の基礎代謝を落とす原因になります。呼吸をする時、特に息を吸う時には、横隔膜・肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹直筋・腹斜筋・腹横筋、そしてこれらの補助として腰方形筋を使います。

デスクワークの姿勢では胸が開きませんから、自然と呼吸は浅くなります。多くの筋肉がしっかりと動かされず、それだけで代謝は落ちていきます。1分間の呼吸数を20回とした場合、1日で行う呼吸は28800回。気づかない間に約3万回も筋肉を動かしているのですから、呼吸を深くする癖をつければ、カロリー消費と代謝アップの両方が手に入るというわけです。

また、細胞の新陳代謝が低下すると、肌の衰えが出始めてきます。肌の乾燥・血色の悪化・くすみといった見た目の老化が顕著になります。若々しい肌が保たれるのは、肌の奥底で新しい細胞が生まれ、古くなった細胞を徐々に表面へ押し出していく、新陳代謝(ターンオーバー)という仕組みが正常に働いているからですが、デスクワークで代謝が落ちると、この細胞の生まれ変わりの循環も悪くなります。

 

新陳代謝が落ちると見た目老化が始まり、パフォーマンスも低下
人の細胞は50億個あると言われますが、細胞分裂は、30代がピーク。40歳を境に、分裂が止まっていく細胞が現れます。分裂できなくなった細胞は、もう新陳代謝をしませんから、おのずと見た目の老化が始まり、パフォーマンスも低下していくというわけです。

最近の研究で、加齢に伴い交感神経が強く働き続けることがわかってきました。年をとるほど、疲労感が残りやすい原因です。この状態が続くと、筋肉を構成する筋膜の滑りも悪くなり、やがては、身体を動かすことさえ億劫になります。それにより、身体を動かす気力と体力がなくなっていくのです。

また、この症状が顔周りに現れるとシワの原因になります。肌に栄養を送る毛細血管は、筋肉の中を通りますが、筋肉が硬くなると、血管を圧迫して、血流の巡りを悪くさせ肌の栄養不良状態が続きます。筋肉の柔軟性が失われ、それにより、額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻の笑いジワ、口元のほうれい線、口角が下がって見える「への字」ジワなど、いずれも若い頃には目立つことのなかったシワが、徐々に目立ってくるようになります。これらはすべて、老化による筋肉の硬化が原因です。

 

できる範囲で身体の柔軟性を保つ努力を
柔らかい筋肉を保つことで、血液の巡りを改善できます。それにより細胞の新陳代謝を促進し、肌に栄養や酸素が供給され、肌を健康的に保てるようになるのです。筋肉が柔らかい人は、健康的な肌作りの基礎ができている証拠だと言えます。筋肉を包んでいる筋膜は、コラーゲンやエラスチンといった成分でできています。筋膜が柔軟で、コラーゲンやエラスチンが豊富だからお肌もハリがあり、若々しく見えるのです。結果を出し続けるビジネスエリートに、見た目が若々しい人が多いのには理由があるのです。

 

ビジネスマンに現れやすい「腎虚体質」とは?

デスクワーク中心の生活が長いビジネスマンは、他の職業と比較すると、老け込みやすく、パフォーマンスの衰えを感じやすい腎虚体質の方が多いようです。

足腰を使わずにじっとしていると、血流は心臓の力だけで全身を巡ります。さらに、1日中、座りっぱなしだと、脳で酸素と栄養を大量に消費するため、全身を循環する血流が上半身に偏り、下半身を巡る量が少ない状態になります。夕方になると足がむくみ、疲労感が溜まってくるのは、この血流の偏りにより、腎臓などで疲労物質が除去されきらないままの血液が循環することが原因です。

 

猫背のデスクワークの姿は高齢老人の姿勢に似ている
さらに猫背でデスクワークを続けると、抗重力筋が緊張してきます。これにより、前かがみとなって身体を支える「腰方形筋」という筋肉が、重点的に凝ってくるようになります。猫背が約20度の前傾姿勢の時、腰方形筋の外側が最も緊張することがわかっています。「腰が痛い」と訴える時のコリは、この筋肉が緊張して硬くなっていることが原因です。

この姿勢は腰回りの筋肉だけではなく、太腿の後ろ側にある筋肉(ハムストリングス)も緊張させます。ハムストリングスが緊張すると膝が曲がるので、横から見た姿勢は「膝と腰が曲がった猫背」、高齢の老人によく見られる姿勢になるわけです。腰回りの筋肉が柔軟になり、抗重力筋の緊張が緩むと、全身の血流が増えます。ですからオフィスで長時間仕事をする場合には、適度な運動によって筋肉を動かして伸び縮みさせた時のポンプ作用を利用して、血流をしっかりと作ることがおすすめです。

習慣とは恐ろしいもので、長い間、姿勢の癖ができてしまった方は、意識して直さないと、なかなか改善することができません。

何気なく過ごしているデスク前での姿勢を、見直して体調管理を意識し、パフォーマンスを向上していきませんか?

 

次の記事「イライラ・わがまま増加は要注意。 理性の衰え=身体の衰えです/最強の体調管理(5)」はこちら。

中根 一(なかね はじめ)

鍼灸師。「鍼灸Meridian烏丸」院長。京都在住。
日本で最も古い鍼灸学術団体「経絡治療学会」の理事・関西支部長を務め、日本の東洋医学界を牽引。また、ロート製薬「SmartCampうめきた」にてケア鍼灸の監修も行う。世界一流の政治家や経営者、俳優や音楽家だけでなく医師もクライアントに抱える。慢性疾患の治療だけでなく、疲労回復も得意とする現代人のお抱え鍼灸師として、執筆活動・ウェルネス事業アドバイザー・鍼灸学校における後進指導にあたっている。著書に『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(KADOKAWA)などがある。


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『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』

(中根 一/KADOKAWA)

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この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』からの抜粋です
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