最近イライラすることが増えた、人の話をしっかり聞けなくなった、「つい」口が滑ってしまうことが増えた......。こんな行動が気になってきたあなたは、もしかしたら「老け込み度」が高くなっているのかもしれません。
こうした「老け込み」から回復する方法はあるのでしょうか?実はその秘訣が「東洋医学」にありました!国内屈指の鍼灸師が教える「中長期的な体調管理」の方法を、セルフメンテナンスの具体例を交えてたっぷりご紹介します。
※この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(中根 一/KADOKAWA)からの抜粋です。
年を感じ始めたら、体調管理が欠かせない
最近、こんなことで気になることがないでしょうか。
・段差もないところでつまずく
・駅の階段を上ることが億劫になってきた
・人の話を聞き返すことが多くなってきた
・相手の話をゆっくり聞いていられない
・一人前のコース料理が食べきれない
・いつもと違う行動をするのは避けたい
・身体が、少し重たく感じる
・自分の顔色がくすんで見える
・なんだか顔がむくんでいる
・シワが深くなったような気がする
・髪がパサパサしてまとまらない
・髪にコシがなく、ペチャンコになったまま......等々。
日常の何気ない違和感から、朝起きて鏡に映る自分の姿を見て、「あれ?こんなはずじゃないのに......」とガッカリする。そんな自分に驚いたことはないでしょうか。
さらに、20代の頃は、寝ればすぐに回復できたのに、最近では疲れがなかなか回復しない。激しく運動した時には、数日経ってから、ドッと疲れが出る。頭の回転も、どこか鈍さを感じるようになる。身体の動きもぎこちない。「急に年をとったような感じ」──これが「老け込み」です。
しかし老け込みは、このような自覚症状が出た時から始まるわけではありません。昔から「衣服の乱れは、生活の乱れ。靴の曇りは、心の曇り」と言われるように、「今日は、靴の汚れが拭き取られていないな」とか「今朝は、ヒゲの剃り残しがあるな」という具合に、まずは身だしなみの乱れとして表れてきます。
生活の乱れからわかる身体の不調
私は鍼灸師として、多くの患者さんたちを診察させていただいておりますが、必ずチェックするのが、「生活の乱れ」から考えられる、患者さんの抱える潜在的な不調です。睡眠の状態、食欲の有無や食事の内容、お通じの具合や仕事のストレスなど、多岐にわたってお話をうかがうことで、不調を引き起こしている生活の乱れを、患者さんご自身にも認識していただくようにしています。
日頃のケア不足から起こる身体徴候が出ているにもかかわらず、「若い頃のように、気力でなんとかやれる!」とか、「たまたま、怠け心が出てきただけ」とか、「人生の要領を覚えてしまっただけ」と思っているとするなら、それは要注意と言えます。
身体は自動操縦装置のように、24時間働き続けています。そのため多少無理をしても、身体が勝手に調整をしてくれて今のパフォーマンスを永遠に継続できると、どこかで過信してしまってはいないでしょうか。どことなく違和感を覚えながら、20代の時と同じような生活習慣のままで乗りきろうと考えていると、ある時、突然、体調を崩して仕事のパフォーマンスが落ち、失敗を繰り返すようになります。そして、「あの人も年をとったね」などと言われるようになってしまうのです。
セルフケアで「老け込み」を防ぐ
もちろん、きちんとセルフケアをすれば、老け込みは予防できます。人は、老いに逆らうことはできませんが、年齢以上に若々しく健康に、心身のパフォーマンスを発揮させる方法があるのです。
それが、私が専門とする東洋医学。加齢とともに人が陥りやすい、老け込みやすい生活習慣を改善する知恵が詰まっています。体質的に食事・休息・生活習慣を見直し、セルフケアに努めるよう、お一人お一人に気づきを与え、「ハイパフォーマンスを維持できる体質」に変わるような仕組みを教えてくれるのが東洋医学の真髄なのです。ある意味で、薬や医師に頼らず、健康的な生き方ができる生活作りを考え直すきっかけになるでしょう。
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