イライラ・わがまま増加は要注意。 理性の衰え=身体の衰えです/最強の体調管理

最近イライラすることが増えた、人の話をしっかり聞けなくなった、「つい」口が滑ってしまうことが増えた......。こんな行動が気になってきたあなたは、もしかしたら「老け込み度」が高くなっているのかもしれません。
こうした「老け込み」から回復する方法はあるのでしょうか?実はその秘訣が「東洋医学」にありました!国内屈指の鍼灸師が教える「中長期的な体調管理」の方法を、セルフメンテナンスの具体例を交えてたっぷりご紹介します。

※この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(中根 一/KADOKAWA)からの抜粋です。

イライラ・わがまま増加は要注意。 理性の衰え=身体の衰えです/最強の体調管理 pixta_29223554_S.jpg前の記事「腰痛は自律神経の乱れが原因? 健康のために身体の柔軟性を保とう/最強の体調管理(4)」はこちら。

 

頻尿は老け込みの徴候なのか

「最近、お手洗いが近くて......」「夜中に何度も尿意で目が覚めるんです......」という悩みを持つビジネスマンが私の鍼灸院にも通院されます。そんなビジネスマンの中には長期海外出張などを控える方もいらっしゃいます。確かに若い頃は見られなかった症状でも、40歳を過ぎたあたりから徐々に気がかりになっていくものなのです。

 

加齢によるホルモン減少が夜間頻尿の原因
日本泌尿器科学会のデータによると夜間頻尿で困っている人たちは、40歳以上の男女で約4500万人もいるそうです。夜間に1回トイレに行く人の割合は40代で約4割、3回の夜間尿がある人は60代で約2割、80代では約5割もあると言われています。

加齢に従い、身体の働きをコントロールしているホルモンの中の、排尿にブレーキをかけているバソプレッシンと呼ばれるホルモンが減ってしまうと、当然のことながら尿量が増えてしまいます。

そのような背景から、「夜間頻尿=老化のサイン」だと言われるのです。東洋医学的には老け込むことで腎虚体質に変わり、それによって「足のむくみ」と「冷え」が顕著になり、「排泄機能の低下」につながっていると考えています。

頻尿は、「老け込み」が深刻化すると起こる徴候の一つですが、なんと20代でも起こりうるようです。例えば、就寝前にビールを飲むことを日課にしていて本当に尿が多い場合は、年齢は関係ありません。いくら若くても日頃の過度なアルコール摂取で身体が疲れきっていたり、睡眠時無呼吸症候群がある場合も尿量が増えてしまいます。

頻尿が気になり出したら、老け込みの合図。体調管理を始めることをおすすめします。

 

「イライラ」「わがまま」が増えてきたら、体力が衰えている証拠
最近、イライラして我慢できないとか、周りからわがままになったと言われるとか、精神状態の変化に薄々気づいてきているという方。これも、老け込みが深刻化した人に見受けられる心の変化と言えます。実は、相手の話を聞くという行為には、それなりの体力が求められるのです。人が話し終えるのが待てないというのは、どこかに身体の不調が出てきている証拠と言えます。

 

筋力が低下するとホルモンも減少する
老け込んでいる人の身体の機能が落ちている症状として、第一に挙げられるのが筋力低下が顕著になる事。背中側についている大きな筋肉は、セロトニン分泌に大きく関わっていますが、この筋肉の筋力が低下するとセロトニンの分泌も減少するのです。セロトニンは、心と身体を心地よい状態に整えるホルモン。また睡眠、呼吸、歩行、周囲への注意、認知機能などにも影響を与えています。

つまり、老け込むことで、身体の機能が劣ってくるばかりか、精神活動も落ちてくるのです。セロトニン減少により、「イライラ」「わがまま」が増える原因につながります。

また、老け込んでいくと様々な事象に対して我慢ができなくなるので、「つい、~しちゃった」ということが増えるようになってきます。

言わなくてもいいことを、口が滑って言ってしまったり、理性で考えたりせずに配慮に欠けるような行動をとってしまうようになったら、身体がかなり衰えていると言っていいでしょう。

 

次の記事「食べないことが身体を回復させる!? 正しい体調管理で前向きな人生を/最強の体調管理(6)」はこちら。

 

 

中根 一(なかね はじめ)

鍼灸師。「鍼灸Meridian烏丸」院長。京都在住。
日本で最も古い鍼灸学術団体「経絡治療学会」の理事・関西支部長を務め、日本の東洋医学界を牽引。また、ロート製薬「SmartCampうめきた」にてケア鍼灸の監修も行う。世界一流の政治家や経営者、俳優や音楽家だけでなく医師もクライアントに抱える。慢性疾患の治療だけでなく、疲労回復も得意とする現代人のお抱え鍼灸師として、執筆活動・ウェルネス事業アドバイザー・鍼灸学校における後進指導にあたっている。著書に『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(KADOKAWA)などがある。


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『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』

(中根 一/KADOKAWA)

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この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』からの抜粋です
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