「肝・脾・肺・腎」、自分の体質に合わせた自己治癒力を発揮しよう!/最強の体調管理

最近イライラすることが増えた、人の話をしっかり聞けなくなった、「つい」口が滑ってしまうことが増えた......。こんな行動が気になってきたあなたは、もしかしたら「老け込み度」が高くなっているのかもしれません。
こうした「老け込み」から回復する方法はあるのでしょうか?実はその秘訣が「東洋医学」にありました!国内屈指の鍼灸師が教える「中長期的な体調管理」の方法を、セルフメンテナンスの具体例を交えてたっぷりご紹介します。

※この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(中根 一/KADOKAWA)からの抜粋です。

 

pixta_19088917_S.jpg前の記事「2つのツボで「老け込み度」をチェック! 「気と水」の巡りに気をつけよう/最強の体調管理(2)」はこちら。

 

体質によって気をつけるべき症状は違う。

個々の体質に合わせて、自己治癒力を発揮させる

東洋医学は「一人ひとりの体質や状態に合わせて、 身体に備わっている自己治癒力を効率よく発揮させる医学」です。つまり東洋医学では、人の性格に個性があるように、人の身体にも個性があると考えているのです。運動神経が発達している人、食べても太らない人、色白の人など、望んでも手に入らない特徴的な身体の個性があることは、皆さんもよくご存知でしょう。こうしたもともと持っている身体の癖を、東洋医学では「体質」というのです。この体質に沿って「身体の長所・短所」や「罹りやすい病気」があるということに、東洋医学は注目しています。

医師もまだ少なく、薬も手に入りにくかった時代、健やかに過ごすためには、自分の身体の個性を知った上で、病気に罹らないよう体調管理をすることが欠かせませんでした。

 

一つの悩みに解決策は複数必要

東洋医学は体質の傾向によって5つにグループ分けをしており、各々のグループに合ったセルフケアの提案を行います。「一つの悩みに対して、一つの解決策(治療)」ではなく「一つの悩みに対して、いくつかの解決策(セルフケア)」で対処します。身体に無理な負担がかからない分、改善は緩やかですが、確実によい結果を生み出すという点では長けています。

では早速、東洋医学で分類している体質をご紹介いたしましょう。体質ごとに、特徴的な容姿や不調時の変化、加齢による変化があります。体調管理をする上で、自分がどの体質かを知ることは重要です。ちなみに中国では体質を5つに分類しますが、日本では4つに分けています。

4タイプそれぞれを解説していきますが、「自分はどのタイプにもあてはまらない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、大ざっぱではありますが、不調を感じる時にどんな症状が多いかで判断してもいいでしょう。

・肩がこりやすい→肝タイプ
・お腹が弱い→脾タイプ
・風邪を引きやすい→肺タイプ
・疲れやすい→腎タイプ

ただし、体質は人の個性と一緒で複雑に混在することもありますので、正確な体質判断はお近くの鍼灸院で専門家に見ていただくことをおすすめします。

加齢によって、「腎虚」に偏り体質が「腎タイプ」へと移行していきますが、もともとの体質からグラデーション的に症状が変化していきますので、まずは、自分がどの体質かを把握しておきましょう。そして加齢に伴い、それぞれの体質ごとにセルフメンテの方法を変えていくことが肝心になります。

 

◆肝タイプ

【容姿】
・キリッとした切れ長の目
・中肉中背でバランスがよい
・筋肉や肌にハリがある
・眉間が少し青みがかっている
・耳が寝ている

【体調の変化】
・冷えのぼせ
・こめかみ・首・肩・背中・腰までが凝る
・目が疲れやすい
・手に汗をかきやすい
・入眠困難

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【体質】
・ストレスを感じやすいタイプ。
交感神経がスピーディに働くことで、特に血圧上昇・心拍数増加・脳血流増加、セロトニン神経支配筋群(顔、首、肩、背中、腰)の緊張などが起こりやすいため。

[加齢による変化]
・若い年代の場合は一休みすることで自律神経の働きをリセットできるが、60歳になると20歳の頃の20~30%しか機能しなくなり、自律神経のコントロールも鈍くなるので、疲労回復や体調管理に苦労しやすい。

[対策]
・一般的に、腎を補って老け込みを防ぐには、深く息を吸うことがよいとされている。深い呼吸は横隔膜の奥にある自律神経のスイッチを刺激するので、交感神経のほうに偏ったバランスが戻る。

【気質】
・なんでもしっかりやりたい性格で、活動的。マジメでリーダーシップを取りたがるけれど、頑張りすぎてしまう傾向がある。

[加齢による変化]
・なんでもやりたがる性格だが、加齢によって身体がついていかなくなるとイライラする場面が増える。

[対策]
・肝タイプであっても、腎タイプと同様に「ゆっくり休息」が求められるようになる。

 

 

◆脾(ひ)タイプ

【容姿】
・丸顔
・タヌキ目
・肩幅が狭い
・身長は低め
・二の腕がぽっちゃり
・髪が細い
・唇がぽってり

【体調の変化】
・食欲が変化しやすい
・冷飲でお腹を壊しやすい
・雨の日は身体が重い
・手足が冷える

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【体質】
・比較的ストレスを感じにくいものの、交感神経の影響が胃腸などの働きに表れやすいのが特徴。食欲不振や過食になったり、急にお腹が痛くなったり、ストレスによって便秘と下痢を繰り返すのもこのタイプならではの症状。

[加齢による変化]
・筋肉によって動いている胃腸に影響が出やすい。加齢によって胃液などの消化液を分泌する能力も含めて、消化器系の働きが低下しやすいタイプ。

[対策]
・全身のスタミナ切れを補うためには、とにかく休むことが大切。食事を1食抜いたり、消化によい食事に切り替えたりして、胃腸に休息を与える。

【気質】
・少しのんびり屋な傾向があり、ともすると優柔不断になりがち。調和を重んじるので、前面に出ることは少ないタイプ。

[加齢による変化]
・もともと積極的なタイプではないが、加齢による腎の影響によって慎重さが増し、その流れで決断力が落ちてくる。

[対策]
・胃腸の働きを補うために「休息して腎を補う」ことが大切。食欲や味覚を正常にするため、身体の酸性化を防ぐことができる腎の鹹味(しおからみ、塩味+苦味)の摂取がおすすめ。

 

 

◆肺タイプ

【容姿】
・身長が高め
・痩せ型
・手足が長い
・色白
・産毛が多い
・ヒゲが濃い
・胸板が薄い

【体調の変化】
・風邪をひきやすい
・背中が寒くなる
・肌が敏感
・悲観的になる

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【体質】
・骨格的に胸が薄く、呼吸器系の働きに変調が表れやすい。ストレスがかかると横隔膜の動きが悪くなるので、さらに呼吸が浅くなる。

[加齢による変化]
・胸郭が薄く猫背になりやすい。背中が曲がってくると、深呼吸がしにくくなり、酸素を使ってエネルギーを生み出す代謝が低下するので、全身のパフォーマンスが悪くなる。背中側の筋肉が緊張してセロトニンが働きにくい傾向にある。

[対策]
・背中をぎゅっと丸めて、肺の中に残っている空気を全部吐き出す。深く息を吸い込むためには、まずは思いきり吐き出すことが必要。息を吸い込む時は、背中の筋肉を意識しながら身体を反らす。
ストレスで横隔膜が動かなくなると自律神経を整えるスイッチが入らなくなるので、運動などをし、大きく呼吸するのがよい。

【気質】
・どちらかといえば物憂げな性格で、悲観的になりやすいのが特徴。一気に盛り上がる瞬発力はあるが持続しないので、感情の浮き沈みが目立つ。

[加齢による変化]
・全身の代謝が落ち、腎の作用が増えてくることで警戒心が強くなりやすい。猜疑心を持って人と接するようになるので、心の距離を一気に縮めようとせず、ゆっくりと関係性を築くよう心がける。

[対策]
・呼吸を深くすると身体の代謝が上がり、そのことによって活動的になるので、気持ちもしゃべり方も元気になれる。ジョギングのような運動や辛い汁物を食べると体温と心拍数が上がり軽く汗をかく。このような巡る状態を作ってあげると、このタイプの人は元気になりやすい。

 

 

◆腎タイプ

【容姿】
・肌の色が浅黒い
・髪の色が黒々としている
・耳が立っていて、少し小さめ
・まつ毛がしっかりしている
・彫りが深い

【体調の変化】
・白髪になったり、頭頂部が薄くなったりする
・足腰が弱くなる
・早朝に覚醒し、トイレが近くなる
・腰回りが冷える
・関節が硬くなる
・夕方に足がむくむ

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【体質】
・もともと腎臓の血流量が少なくなりやすく、ストレスによって腰回りの筋肉が緊張しやすい特徴がある。下腹部への栄養が行き渡りにくいので、生殖器系の働きが悪化しやすかったり、下半身が冷えたりする。

[加齢による変化]
・ただでさえ下半身への血流が少ない上に、細胞の代謝が下がるので、下腹部や腰、膝の機能低下が著しくなる。便秘、頻尿、尿もれ、閉経、ロコモティブシンドローム等々、老人性の悩みに苦労する。

[対策]
・よく歩く、腰を温める、適度に休んでリラックスすることで、下半身への血流量を増やすようにする。

【気質】
・臆病で警戒心が強く、新しいことを始めるチャレンジ精神は乏しい。斬新なアイデアは生み出さないけれど、堅実なので失敗することは少ない。

[加齢による変化]
・変化することを嫌うだけでなく、体力も落ちてくるので、旅行に出かける予定を突然キャンセルするようなことがある。気力と体力が落ちると、継続や我慢ができなくなりがち。

[対策]
・ミネラル不足が原因で精神的な不安定さや鬱症状が表れるので、腎タイプの人には、ミネラルのサプリメントがおすすめ。
・睡眠時間の確保が最優先。

 

次の記事「長時間のデスクワークは代謝を落とす→老化につながる!/最強の体調管理(4)」はこちら。

 

 

中根 一(なかね はじめ)

鍼灸師。「鍼灸Meridian烏丸」院長。京都在住。
日本で最も古い鍼灸学術団体「経絡治療学会」の理事・関西支部長を務め、日本の東洋医学界を牽引。また、ロート製薬「SmartCampうめきた」にてケア鍼灸の監修も行う。世界一流の政治家や経営者、俳優や音楽家だけでなく医師もクライアントに抱える。慢性疾患の治療だけでなく、疲労回復も得意とする現代人のお抱え鍼灸師として、執筆活動・ウェルネス事業アドバイザー・鍼灸学校における後進指導にあたっている。著書に『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(KADOKAWA)などがある。


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『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』

(中根 一/KADOKAWA)

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この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』からの抜粋です
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