過ごしやすい気候になると、気持ちも前向きになるもの。何かを「変わりたい!変えたい!」と思うことはありませんか? ダイエットやスポーツ、語学の勉強や、はたまた将来に備えて節約を始めるなど......。目標がクリアできたときを想像するとワクワクします。けれども、どこかで「自信がない」「できない」と感じてしまうこともありませんか?
書籍『頑張らずにうまくいく 自分を変える「脳」の習慣』は、脳科学、認知科学を長年研究してきた著者が「記憶」と「脳の仕組み」に着目し、「自信」「行動力」「感情」への対処法について解説。どのようなアプローチをすると"頑張らずに"なりたい自分に近づけるのか、変われるのかがわかる一冊です。
記憶をプラスに変え、悪い思考パターンから抜け出す
転職や結婚といった大きな節目だけではなく、毎日の献立決めやヘアサロンの予約といった日常も含め、人生は常に選択や行動を必要としています。
実は、「意思決定」や「好き嫌い」には過去からの「記憶」が大きく影響しており、自分の意識とは関係なく、行動や感情などを「記憶」にコントロールされていることもあるのだそう。
したがって、まずは自己の思考や感情を含めた「記憶」を観察、把握すること、マネジメントすることが大切なのだといいます。肝心なのは、これまでの経験で「できなかった」ことよりも「できた」ことに注目し、記憶を"プラス"に変えること。そう、記憶は変えることができるのです。
「記憶のマネジメント」を意識して行うことで、記憶を良い意味付けに変換させ、考え方のクセや悪い思考パターンの悪循環から抜け出すことができれば、思い通りの人生に一歩近づけそうです。
まずは背中を伸ばして自信を高める
また、体の動きやポーズを使って、最高の精神状態だった記憶を引き出しやすくする方法もあります。「アンカリング」と呼ばれる手法で、一つのポーズを最高の精神状態だった記憶と結びつけることで、ポーズをとった瞬間にその記憶にアクセスできる、というもの。
本書では、自分ラグビーの五郎丸選手がキックの前にしていた手の指を使ったポーズや、野球のイチロー選手がバッターボックスでとるポーズなどが、その好例として挙げられています。
精神状態を良くするには、背中を伸ばす、体を伸ばすだけでもOKだとか。精神状態が変われば、行動や結果も変わり、それが新たな記憶となって、自信を高めることができるといいます。体の動き以外にも、自信を高めるアイテムとして、身に着けるものやテーマ曲を決めておくのも有効なようです。
自分の「脳」とじっくり作戦会議をして、自分を変える目標にラクラク到達したいものですね。
文/小林みさえ
『頑張らずにうまくいく 自分を変える「脳」の習慣』
(宇都出雅巳/SBクリエイティブ)脳科学や心理学、認知科学の知見をもとに、脳の性質と記憶マネジメントにより行動力や自信がつく考え方をレクチャー。「三日坊主」「感情に振り回されないコツ」「ワーキングメモリー」などへの対策も丸分かりです。