仕事を始める前の「30秒座禅」で集中力アップ!/これも修行のうち。

pixta_7654497_S.jpg人間関係、失敗、病気、心配事......生きていれば必ず起こるあらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣とは? それは「これも修行のうち」と捉えてみること。

「不安」も「怒り」もすべて妄想だったと気づけるプチ修行の方法を本書『これも修行のうち。』から学びましょう。

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前の記事「「反応」につかれたときは自分の「感覚」に帰ろう/これも修行のうち。(7)」はこちら。

 

サティ(気づき)の力

「サティを絶やすな。でなければ心は浮き沈みを繰り返し、散り散りに乱れた状態のままであろう」――ウダーナヴァルガ

サティ(気づき)は、「快適な心づくり」の決定版です。ストレスや雑念を洗い流し、集中を高め、理解力や状況判断力、さらに記憶力など、あらゆる〝心の能力を育てる基本となる「心の使い方」です。

これを練習していくうちに、多くの悩みが不思議なくらい消えていきます。

最も素朴なサティの定義は、「心の中に〝ある〟ものを〝ある〟と理解すること」です。「理解」の代わりに「気づく」「察知する」「認識する」とも表現します。

心の中には、すでにお伝えした通り、カラダの感覚、怒り・喜びなどの感情、アタマで考える思考、意欲などがあります。こうした、心に〝あるもの(反応)をよく見て、「今、心にはこういう反応がある」と客観的に理解するように努めることが、快適な心と生活づくりの第一歩になります。

そこで実践です――"カラダの感覚に気づく"練習を始めましょう。
目を閉じて、次のことに意識を向けてください。

 

〝心のアンテナ〟を全身に向ける

(1) に気づく――暗闇の中で「音」が響いていますね。人の声?車の音?
町の喧噪でしょうか。その雑多な「何かが響いている」状態が〝音です。「ああ、これが〝音が聞こえている〟状態なんだ」と、客観的に理解してください(ふだんは意識しませんが、〝聞こえるということ自体、驚いていい現象です)。

(2) 視覚に気づく――目を閉じたときに見える、目の前の「暗闇」をじっと見つめてください。黒を背景に、赤や緑や白の微細な光の粒子がチリチリと広がっているのが見えますね。それが目の網膜がとらえた光、つまり視覚です。「これは〝見えている状態である」と、客観的に理解してください。

 ○ この観察を続けることが、ひとつの練習です。ただ聞こえている、ただ見えている――その「状態」を確認するだけ。その間に〝無常〟である感情や思考や意欲は、弱くなり、消えていきます。

 ○ 「薄目を開けてみる」ことも可能です(坐禅では「半眼(はんがん)」と呼びます)。このとき外の様子が目に入ってきますが、反応せず、「見えている」(これは視覚である)とだけ確認します。仏像のように無表情、クールに「認識しているだけ」の状態を保ちます。

(3)触覚に気づく――肌の感覚にも意識を向けます。
 ○ 目をつむった状態で、手のほうを〝見てください。見えているのはただの暗闇ですが、そこに「手」の感覚があるのはわかりますね。では、握る、開くの動作をしてください。「握ると手の感覚はこう変わる。開くとこう変わる」と意識します。

 ○ さらに、その手を、ゆっくりと肩のあたりまで上げます。その間も目を閉じたまま、手を見続けてください。肩まで上がったら、ゆっくり下ろしていきます。このときも「手が上がっている。上がっているときの感覚はこうである(こう変化する)。手が下がっている。下がっているときの感覚はこう動く」と、観察しながら意識します。

 ○ 次は、お腹のふくらみ・ちぢみです。目を閉じた状態で、吸っているときのふくらんでいく感覚、吐いているときのちぢんでいく感覚を、意識します。意識しにくい(感じ取ることが難しい)人は、目をつむった状態で腹部のほうを実際に見るとか、手のひらを腹部に当てて、感覚を感じ取るようにしてください。

 ○足の裏の感覚にも意識を向けてみます。座っていても、立っていてもかまいません。目を閉じると、暗がりが見えますね。その状態で足元を〝見て〟ください。「遠く」にたしかに存在する「足の裏の感覚」を意識します。その足を、(1)持ち上げます。(2)前に運び(踏み出し)ます。(3)床に下ろします。このときの足の裏の感覚を、しっかり意識してください。上げているとき、宙に浮いて前に運んでいるとき、そして床に着き始めてからぺったり着くまでの感覚を、よく感じ取ります。

「上げている、運んでいる、下げている」と言葉で確認しながらやってください。踏みしめたときの〝感触や〝重みも、注意深く観察します。

 

――このように「よく意識する」(注意を向ける)ことが、「念じる」(マインドフルである)ことです。先ほど「シャワー禅」を紹介したところで、「!」を連発しましたね。あれは「よく意識している」「サティを向けている」ことを表現するためだったのです。

となると、歩くサティ(歩行禅)のときも、足を「上げている(!)」「運んでいる(!)」「下げている(!)」と、一つひとつの動きをしっかり意識して行うことです。これが「心を洗うジェットシャワー」になるのです。

 

仕事前の「30秒座禅」

オススメは、仕事などの作業を始める前に、30秒ほど目を閉じて、腹部のふくらみ・ちぢみや、足の裏の感覚に意識を向けることです。30秒でも、小さな雑反応を洗い流すのに十分な時間です。
1分、5分、30分――と、長めにやってもかまいません。タイマーを使うこともできます。

目を開いたときには、感情も思考もなし。「目の前の作業」だけがあります。そこから「集中!」です。何も考えずに、いけるところまで突っ走る(集中する)。

目を閉じる、感覚に帰る、ムダな反応をリセットする、そしてスタート、です。

  

次の記事「「今怒っているな...」自分の心の状態を言葉で確認して心を整理整頓!/これも修行のうち。(9)」はこちら。

草薙 龍瞬(くさなぎ・りゅうしゅん)

僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』(WAVE出版)、『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』(サンマーク出版)、『消したくても消えない「雑念」がスーッと消える本』(大和出版)がある。 

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『これも修行のうち。』
草薙龍瞬/ KADOKAWA)

人間関係、失敗、病気、心配事......あらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣があります。それは、「これも修行のうち」と捉えてみること。イヤなことは「自分を磨く」ツールになる。ベストセラー『反応しない練習』の著者が教える、日常生活、仕事で使えるプチ修行50!

関連データ

『これも修行のうち。』

 

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この記事は書籍『これも修行のうち。』からの抜粋です
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