旬の獲れたて、新鮮な魚を缶詰に加工する魚缶。最もおすすめな点は、たんぱく質をはじめ、認知症予防や血液サラサラ効果があるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、積極的に摂りたい栄養がたっぷり詰まっていることです。
缶を開けるだけ、という手軽さで骨や皮まで魚の豊富な栄養を丸ごと摂取でき、料理の時短にも。魚缶の上手な活用法を料理研究家の村上祥子さんに教えていただきました。
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運動器機能不全の予防にひと役
「ツナ缶」
【ツナ缶の3つの魅力】
筋肉を作るロイシンが豊富
ロイシンは、9種類の必須アミノ酸の中でも特に筋肉を作る筋たんぱく質の合成を促す司令塔の働きがあり、ロコモ予防に欠かせない栄養素です。筋肉が衰えることはロコモティブシンドロームになる一因で、寝たきりになるリスクも高くなります。
どのタイプにもロイシンが
ツナ缶は、びんながまぐろ、きはだまぐろ、かつおを原材料としていて、油漬け、油入り水煮、水煮の3タイプがあります。形状も塊のタイプとフレーク状があります。ロイシンはどの材料から作られたツナ缶にも豊富に含まれます。
豊富なDHAやEPAに加えビタミン類も
青魚が原材料のツナ缶はDHAやEPAなど、体に有効な栄養素をたくさん含んでいます。また、ビタミンDの他、美肌効果や動脈硬化を防ぐビタミンB2、高い抗酸化作用を持つビタミンE、ビタミンB12など多くの種類のビタミンが豊富です。
塩は少々だけ、でもしっかりしたコクがあります
「白菜とツナの牛乳煮」
1人分313kcal /塩分0.9g
材料(2人分)
白菜...2枚
ツナ缶(油漬け)...1缶(160g)
牛乳...100ml
A バター(有塩)...大さじ1
小麦粉...小さじ1
塩、こしょう...各少々
パセリ(みじん切り) ...少々
作り方
1 白菜は4㎝角に切る。
2 耐熱ボウルに1 を入れ、ツナ缶を汁ごとのせ、牛乳を注ぎ、塩をふり、ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで5分加熱する。
3 別のボウルにAを入れ、2の煮汁を50mlほど加えて溶きのばし、2 のボウルに加えて混ぜ、とろみをつける。パセリとこしょうをふる。
具を食べ終わったら汁をご飯にかけても
「ツナとレタスのしゃぶしゃぶ」
1人分283kcal /塩分0.9g
材料(2人分)
レタス...小1個
昆布(3㎝角)...1枚
ツナ缶(油漬け)...1缶(160g)
A 酢...小さじ2
しょうゆ...小さじ2
水...小さじ2
トマトケチャップ ...大さじ2
作り方
1 レタスは食べやすくちぎる。
2 鍋に水(分量外)を7分目まで注ぎ、昆布を加えて火にかける。
3 煮立ってきたら、1とツナ缶を汁ごと加える。
4 Aを合わせ、各自の取り皿に等分に入れ、ケチャップを添える。3が温まったらつけていただく。
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。
取材・文/石井美佐 撮影/中野正景