日本国内で1700万人以上の患者数が推計されている「骨粗鬆症」。骨がもろくなると、寝たきりにつながる要介護4または5の原因第3位である「骨折」になりやすくなってしまいます。骨粗鬆症を自分で予防&改善するための方法を、東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科専門部長の千葉優子先生に伺いました。
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買い物に毎日出かけるだけでも、足腰は鍛えられます。ジッと動かない状態がよくないのです。洗濯物を干し、掃除機をかけ、買い物へ出かけ、その合間やテレビを見ながら行うのが「かかと落とし」。1分半で50回行うのが目安ですが、無理は禁物。最初は少ない回数で毎日ゆっくり行って、慣れてきたらスピードを上げて徐々に回数を増やしましょう。
「骨や筋力が弱っている人には、いすに座ったままで行える筋力アップ運動もおすすめです。いすに座った状態で片足を上げる、足首を曲げたり伸ばしたり、ひざを持ち上げたりする運動も取り入れてください」
千葉先生によれば、転倒・骨折を防ぐには、骨や筋力の強化に加えて、バランス感覚を養うことも重要です。かかと落としやいすに座ったままの筋力アップを行い、慣れてきたら片足立ちにも挑戦しましょう。左右いずれかの足だけで立ち、1~3分以上を目標にするとよいそうです。ひざが痛い人は、机やいすにつかまって無理のないように行ってみてください。
ながら体操 1
かかと落とし
1日50回
つま先を床につけた状態でかかとを上げて「すとん」と落とし、1分半に50回を目安に1日1セット。無理をしない程度に行い1カ月くらいたって慣れてきたら、かかと落としの速度を上げていきましょう。机などにつかまりながら行ってもよいでしょう。
かかとをあげて...
↓
すとん!と落とします
ながら体操 2
片足あげ
片足ずつ10回
いすに座り、片足を床と水平になるようにゆっくりと持ち上げて約5秒キープした後、ゆっくりと下ろします。
まず、いすに座ります
↓
5秒しっかりキープ!
ながら体操 3
足首曲げ&足首伸ばし
繰り返し10回
両足をいすの高さまでゆっくり持ち上げ、両足の指先をひざの方向に足首と一緒に最大限反らして約5秒キープした後、外側にしっかり伸ばします。
指先をひざの方向に反らす
↓
体の外側に伸ばします
ながら体操 4
ひざ持ち上げ
繰り返し10回
いすに座って両ひざをゆっくり持ち上げて約5秒キープした後、ゆっくりひざを下ろします。両ひざを持ち上げるのがキツイときには片足ずつでOK。
いすに座って...
↓
ひざを持ち上げます
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取材・文/安達純子 イラスト/赤池佳江子