骨粗鬆症?と思ったら...骨密度はどこで測定できる?/圧迫骨折

pixta_17506616_S.jpg背骨は、首から腰まで24個の骨がつながってできていて、それぞれの骨の積み重なっている円筒形の部分を「椎体(ついたい)」といいます。圧迫骨折とは、この椎体が潰れてしまう骨折です。高齢の女性に多く、尻もちをつく、重い物を持つなどの大きな負荷、そして骨粗鬆症が主な原因です。背骨は体を支え、脊髄を保護する重要な役割を果たしています。この背骨が潰れてしまうと、強い痛みや日常生活への支障が出るほか、身長が縮んだり、背中が丸まったりして、見た目の老化にもつながります。

今回は圧迫骨折の症状や治療法、圧迫骨折の原因となる骨粗鬆症について、伊奈病院整形外科部長の石橋英明先生にお話を伺いました。

前の記事「骨量のピークは20歳。女性の骨は閉経前後から急減します/圧迫骨折(7)」はこちら。

 

自覚症状が少ないからこそ
骨粗鬆症検診で骨の状態を把握

骨粗鬆症とは、骨が弱くなって骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症により骨が弱くなると、「つまずいて、尻もちをついた」「転んで手をついた」「長時間、車に乗った」などのちょっとした衝撃で骨折してしまうことがあります。車に乗っているだけで背骨が折れることが実際に起きているそうです。

年をとるにつれて骨が弱くなるのは自然なことですが、骨折するまで放置しておいては、その後の生活にさまざまな支障が出てきます。現在の日本の骨粗鬆症患者数は、推定で男性300万人、女性980万人、総数は1280万人とされており、日本の総人口のほぼ10%にあたります(2012年時点)。

「骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がなく、骨が弱くなっても自分では気付きません。ですから、骨の強度には個人差があること、検査によって状態が把握できること、治療によって改善できることを理解して、早めの検査、対策をすることが大切です」と、石橋先生。

骨粗鬆症の対策には、まずは自分の骨の現状を知っておく必要があります。骨の強さを知るためには、骨密度(※1)の測定が一般的です。骨密度を測定することで、骨粗鬆症なのか、あるいは骨量減少と呼ばれる骨粗鬆症予備軍なのか、それとも十分な骨量を保てているのかが分かります。

※1:骨密度は、主に画像の検査で測定し、1㎠あたりのカルシウム量をgで表したもの。骨密度の数値が高いほど、骨が丈夫だという目安になります。

 

では、骨密度はどこで測定したらよいのでしょうか?
「健康保険の制度上、医療機関は病気があるか、その疑いがある場合にしか検査をすることができません。そのため、病院やクリニックに行って、"骨粗鬆症が心配なので、骨密度を測ってほしい"といっても、測定はできません。女性の場合、まずは自治体が行っている骨粗鬆症検診を受けましょう。ただし、腰痛がある、身長が低くなってきた、背中が急に丸くなってきた、といったような圧迫骨折が疑われる症状があったら、整形外科を受診してください。骨の検査を含めて調べてくれると思います」(石橋先生)。

自治体での骨粗鬆症検診は40歳から70歳の女性を対象に実施されています。節目検診といい、5年ごとに受診の案内が届くことが一般的です。検診は、保健所や保健センター、指定の医療機関で実施されています。検査内容や対象年齢、検査料金などは、お住まいの地域によって異なりますので確認してみましょう。

検査の結果、骨密度が一定レベル以下の場合は、医療機関で二次検査を行います。二次検査の通知が届いた場合は、放置せずに必ず受診することが大切です。その後、結果に応じて必要な治療を始めることになります。

その他、人間ドックなどでは、オプションで骨粗鬆症の検査ができることが多いので、実施機関に問い合わせてみましょう。

 

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取材・文/笑(寳田真由美)

 


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石橋英明(いしばし・ひであき)先生

伊奈病院整形外科部長、NPO法人高齢者運動器疾患研究所代表理事。1988年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院、東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)整形外科などの勤務を経て、1992年より東京大学大学院医学系研究科にて骨代謝研究に従事。1996年に博士学位を取得し、米国ワシントン大学医学部に留学。帰国後、東京都老人医療センター整形外科に勤務、2001年より同センター整形外科医長。2004年より現職。専門は骨粗鬆症、関節リウマチ、関節外科。著書に『よくわかる最新医学 骨粗鬆症 予防・検査・治療のすべてがわかる本』(主婦の友社)、『骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン(共著)』(ライフサイエンス出版)ほか。

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