筋肉の量をキープすれば高血糖予防にも! 筋肉が糖を取り込む仕組みを知ろう/体ほぐし体操

筋肉の量をキープすれば高血糖予防にも! 筋肉が糖を取り込む仕組みを知ろう/体ほぐし体操 pixta_16406085_S.jpg正しい姿勢を保つためには、質の良い筋肉が必要です。 それには、体をほぐして正しい姿勢を知ることが重要。そこで、美しい姿勢や動きやすい体に欠かせない筋肉の仕組みを、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で早稲田大学アクティヴ・エイジング研究所所長の樋口 満先生にお話を伺いました。

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筋量を維持して高血糖を予防しましょう

筋肉の役割は、歩いたり、階段を上り下りしたりといった運動機能の維持ばかりではありません。実は、 生活習慣病の予防にも役立ちます。

「筋肉には、糖を取り込むGLUT 4(グルコーストランスポーター) という糖輸送たんぱく質があります。 これは、運動によって増えるため、 体をよく動かして筋肉の質を高めることで、糖尿病やメタボの予防につながります」と、樋口先生。

日頃からよく運動している人は、運動していない人に比べて筋肉のGLUT4の量が2倍ほど多く、少量のインスリンでスムーズに血糖値を下げることができます。一方、運動不足や食べ過ぎで内臓脂肪が蓄積してしまった人は、筋肉中のGLUT4の量が 少なく、インスリンの作用も悪いた め、上昇した血糖値がなかなか下がらないインスリン抵抗性が生じやすくなります。そこからさらに高血糖の状態が続くと、糖尿病のリスクが高まります。

「日本人は、すい臓からのインスリン分泌能力が低く、肥満になる前に糖尿病を発症しやすい 体質です。そのため、やせていても 糖尿病を発症することが少なくありません。体を動かすことで筋肉に糖を取り込み、糖尿病を予防することが重要です」(樋口先生)。

ここで、筋肉が糖を取り込む仕組みを詳しくみてみましょう。

 

●筋肉が糖を取り込む仕組み

糖は体のどこに行くの?
糖質の多くは、消化器管で分解されてブドウ糖に変わ り、全身の細胞で使われます。消化吸収されたブドウ 糖は、肝臓と筋肉でグリコーゲンとして貯蔵され、エネルギーとして利用されます。余った分は、脂肪細胞 で中性脂肪として蓄えられます。これらの臓器は、ブ ドウ糖を取り込むためにインスリンを必要とします。

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血糖値の上昇に反応してすい臓から血液中に分泌されたインスリンが、筋肉細胞の表面にあるインスリン受 容体に結合。すると、筋肉細胞内にあるGLUT4が筋肉細胞の表面に移動します。


血糖値が上昇


筋肉の量をキープすれば高血糖予防にも! 筋肉が糖を取り込む仕組みを知ろう/体ほぐし体操 1809p024_2.jpgGLUT4が筋肉細胞の表面に移動すると、血糖を取り込むためのゲートが開き、そこから血糖(ブドウ糖) が筋肉の中に取り込まれます。

 

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取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/小川温子

 

 

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樋口満(ひぐち・みつる)先生

早稲田大学スポーツ科学学術院教授。教育学博士(東京大学)。早稲田大学アクティヴ・エイジング研究所所長。著書に『体力の正体は筋肉』(集英社新書)が発売中。

この記事は『毎日が発見』2018年9月号に掲載の情報です。

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