日本では4人に1人が自殺を考え、5人に1人が身近な人を自殺で失う/堀江貴文「健康の結論」

超・長寿時代の日本を生き抜くために最も重要な資産は「健康」です。複雑な社会をサバイブできるメンタル管理、ワクチン接種で予防できるがんのことなど、堀江貴文氏が医師に聞いた「ホンネ情報」をお届けします。高パフォーマンスで人生100年を生きるためのホリエモン流「ライフスタイル革命論」です。

※この記事は『健康の結論』(堀江貴文/KADOKAWA)からの抜粋です。

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「日本では4人に1人が自殺を考える。」

追い込まれた末に「死」を選ぶことがある
この章では、少し重いテーマを扱いたい。
僕が予防医療の啓発活動をおこなう理由は、日本には「知っていれば、防げる死」があまりにも多いという問題意識からである。「自殺」もその一つだ。

自殺予防の専門家である精神科医の松本俊彦先生によれば、自殺者の「死にたい」という気持ちは、裏を返せば「これほど辛くなければ生きていたい」という叫びだという。死ねば苦しみから逃れられる。だから死にたい。本当は「この辛さがなければ生きていたい」のに、仕方なく死を選んでしまったかもしれない人が、この国には年間2万数千人もいる。およそ5人に1人が、身近な人を自殺で失う経験をしているという調査もある(日本財団調べ)。

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僕も45年間生きてきた中で、自ら命を絶ってしまった知人が何人かいる。彼らがなぜ死ぬことになったのか、周囲の人間には測り知れない理由があったのだと思う。アルコールや薬物などが突発的に作用して一線を越えた可能性もあるかもしれない。成人の自殺は複雑な要因が絡み、後からでは本当の理由を知る術がない。

しかし、必ずしもそうとは限らないが自殺を考えている人の多くは何かしらのサインを発しているという。またある調査では、自殺を試みた人の約90%が、自殺直前にうつ病などの精神疾患にかかっている状態にあるといわれている。

自殺は、追い込まれた末の「死」で、健康な個人の自由な意志や選択の結果ではない。適切な時期に介入ができれば、防げる可能性がまだある死なのである。

 

 

「若者の自殺が事故死より多いのは先進国で日本だけ。」

若者の死因で自殺が事故死を上回る日本
日本は若者の自殺者数が、他の先進諸国に比べて多い。
自殺者数全体は2003年をピークに減っているものの、実は今「自殺を考えたことがある」という人が増えているという。20歳以上を対象にした調査結果では、およそ4人に1人が過去に自殺を考えたことがあると答えている。

もちろん、自殺を考えたことがある人のすべてが自殺に至るわけではない。けれども人口10万人あたりの自殺者数は世界的に高く、世界約90か国のうちリトアニア(30.8人、15年)、韓国(28.5人、13年)などに続いて日本は19.5人(14年)で6位である。

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特に注目すべきなのは、15~39歳の死因では「自殺」が事故やがんなどを上回り、15~34歳の自殺率は事故による死亡率の2・6倍にも上ることだ。先進7か国で「自殺」が「事故死」を上回るのは日本だけである。

 

なぜ日本で自殺が多いのか、その明確な理由は特定できない。それでも自殺を裏付ける遺書などの資料があった例からみると、自殺の理由で最も多いのは「健康問題」で次に「経済・生活問題」、「家庭問題」や「勤務問題」などが続く。

自殺した人の遺族へのヒアリングなどからも、自殺者の多くは生前、簡単に解決しがたい問題を複数抱えていたことが分かっている。主な問題は次の通りだ。

・ 生活面での問題(虐待やいじめ、暴力などの被害、身近な人の死)
・ メンタルヘルスの問題(うつ病、アルコール依存、治療が難しい病など)
・ 社会、経済的な問題(返済しきれない借金、仕事上の悩み、失業)

また、海外の研究では、自殺のリスクを判断する際に次のようなリストが考慮されている。7項目以上に該当する場合は自殺リスクが高いという。

・性別は男性・年齢は高齢者、もしくは思春期年代であること
・うつ病の存在・自殺企図の既往
・アルコール乱用の存在
・合理的な思考の障害(精神疾患の症状や極度の心理的視野狭窄)
・社会的支援の欠如・具体的な自殺の計画
・配偶者がいない
・身体疾患に罹患している

しかし、実際は多数の危険因子を持つ人が自殺とは縁のない生活をしている場合もあれば、周囲からは該当するように見えない人が自殺してしまう例もある。予防に関して万人向けの良策は見出しにくい、というのが現状だ。

 

次の記事「自傷を繰り返す「メンヘラ」との正しい向き合い方とは?/堀江貴文「健康の結論」(2)」はこちら。

 

 

堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)

1972年、福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting 株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。2010年に創刊した有料メールマガジンは1万数千人の読者を持つ。2014年にスタートしたコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」の会員数は約1600人にのぼり、常時新たなプロジェクトが生まれている。2015年より予防医療普及のための取り組みを開始し、2016年3月には「予防医療普及協会」の発起人となる。主な著書に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『本音で生きる』(SB新書)、『多動力』(幻冬舎)、『むだ死にしない技術』(マガジンハウス)ほか多数。


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『健康の結論』

超高齢化社会の到来が目前となっている日本。人生100年時代に最も必要な資産は「健康」です。本書には堀江貴文氏が各専門分野の医師たちに取材して得た「健康」へのホンネが満載。自殺過多の日本でメンタルを守る方法、ワクチンで防げるがんなど、長寿時代を生き抜くためのホリエモン流「新・健康の教科書」です。

ホリエモンドットコム

・(監修)一般社団法人 予防医療普及協会

この記事は『健康の結論』からの抜粋です

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