骨粗しょう症も、睡眠障害も! 認知症のリスクを上げる生活習慣病/認知症予防(7)

pixta_29296989_S.jpg認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。

前の記事「高血圧など生活習慣病が認知症の発症リスクを高める/認知症予防(6)」はこちら。

 

高血圧、糖尿病...認知症のリスクを上げる生活習慣病

高血圧や糖尿病、脂質異常症のほか、認知症の発症リスクを上げる生活習慣病は多数あります。ここでは、代表的な症状を5つご紹介します。思い当たることがある方は、今すぐ生活習慣の見直しに努めましょう。

●高血圧
久山町(ひさやまちょう)研究では、中年期および老年期に血圧が高いほど、脳血管性認知症を発症しやすいことが示されています。中年期に高血圧(拡張期血圧 160㎜Hg 以上、収縮期血圧 100㎜Hg 以上)の人は、正常の人と比べて、脳血管性認知症になるリスクは 10 倍との結果も。高血圧の治療は、認知症予防の第一歩といえるでしょう。

毎日が発見_紙面版-28.jpg

※九州大学「久山町研究」より引用

久山町研究によれば、中年期、老年期に血圧が高いほど、脳血管性認知症発症のリスクが高まるとの結 果が出ています。アルツハイマー型認知症では、血圧の高さによる大きな違いは見られませんでした

●糖尿病
老年期のアルツハイマー型認知症は、"脳の糖尿病"ともいわれるほど、糖尿病と認知症 には密接な関係があります。高齢の糖尿病患者の10 人に1 人がアルツハイマー型認知症
との報告も。また、糖尿病は脳の動脈硬化にもつながりやすく、脳血管性認知症の大きな
リスクにもなることが分かっています。

糖尿病の人が認知症を併発すると、薬を飲み忘れたり、服用し過ぎたりして体調を崩しがちになります。 インスリンを注射したことを忘れて、再度注射をしたために動悸や発汗を引き起こすといった事例もあるので、周囲に治療中の人がいる場合は注意しましょう。

●脂質異常症
中性脂肪やコレステロールなどの脂質が血液中に多く含まれる、脂質異常症。脂質が多いと 動脈硬化につながりやすく、進行すると、脳内の血管も硬化が進み血液の流れが悪くなります。すると、脳の血流低下や血管の障害による脳血管性認知症の発症リスクが増加。また、高血圧と合併すると、血管により負担がかかり、リスクはさらに高まります。

●骨粗しょう症
骨密度が低下して骨がもろくなる、骨粗しょう症。認知症の直接の原因になるわけではあ りませんが、骨粗しょう症により寝たきりになるなど日常生活が困難になることが、運動
不足、脳への刺激の低下という悪循環を引き起こし、認知症へとつながります。

●睡眠障害
認知症の原因物質である脳の中のアミロイドβたんぱくは、日中に蓄積し、夜間に深い睡 眠をとることで減少します。睡眠障害により 睡眠時間が減ったり、睡眠の質が悪くなると、 アミロイドβたんぱくが蓄積したままになり、 認知症の発症へとつながります。

  

次の記事「認知症予防に効く! アーユルヴェーダ5000年の知恵/認知症予防(8)」はこちら。

取材・文/佐藤あゆ美

<教えてくれた人>
西野憲史(にしの・けんし)先生
医療法人 ふらて会西野病院理事長・ 院長。日本認知症予防学会 事務局長。園芸療法の有用性にいち早く着目し、生活習慣病や認知症の予防・改善に生かす取り組みを実践。

この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。
PAGE TOP