骨折が起きやすくなる大きな原因のひとつは、骨の中がスカスカになる骨粗しょう症。しかし近年の研究では、骨密度が高い骨でも"骨のサビつき"と呼ばれる現象が起きていることが分かりました。骨を丈夫にするために、カルシウムの摂取以外で気をつけなければならないことを見ていきましょう。
骨がサビつくと折れやすくなる!?
以前放送された『みんなの家庭の医学』(テレビ朝日系)では、老化と共に骨が脆くなる原因を調査。カルシウムだけでは、骨が"糖化"して脆くなることを防げないことが発覚しました。
東京慈恵会医科大学の准教授・斎藤充先生は、骨密度が正常でも骨がもろくなる原因を研究。2010年の論文では、外側に糖が付着することで骨の一部が悪玉物質に変化するという研究結果を発表していました。斎藤先生は、骨が糖化することを"サビつき"と呼んでいます。
骨のサビつきの原因は、高血糖と活性酸素。体内の糖が多ければ、糖が骨に付着する可能性が高まります。活性酸素は体内に取り込んだ酸素が変化したもので、増えすぎると体の細胞や骨のコラーゲンを攻撃。傷ついたコラーゲンには糖がつきやすくなるので、血糖値が低くても油断できません。
骨のサビつき予防法
骨がサビついていると診断された60代の女性は、体内に活性酸素が多い状態。生活習慣をチェックしたところ、塩分を摂りすぎて高血圧予備軍になっており、さらに運動不足で活性酸素が増えやすくなっていることが分かりました。
東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利先生は、活性酸素を減らす習慣としてウォーキングを提案。様々な病気の予防や改善に効果的な歩数を算出し、活性酸素軽減のためには1日8000歩のウォーキングが理想だとおすすめしています。
アドバイスを受けた女性は、塩分を控え8000歩あるく生活を1週間継続。1週間後に検査を行うと、血圧が下がり活性酸素も大幅に減少していました。この結果には視聴者から、「活性酸素なんて気にしたことなかった」「歩くだけでいいなんてびっくり」「ちょっとだけ気をつければ骨を守れるんだね」と驚きの声が上がっています。骨の老化を防ぐために、カルシウム摂取だけでなくサビつきの予防も心がけていきましょう。
文/藤江由美