「くしゃみをすると尿がもれる」「頻繁にトイレに行きたくなる」など、尿トラブルは誰にでも起こることです。女性は男性に比べて尿道の長さが短く、また出産などで骨盤底筋が緩んだりするため、排尿のトラブルが起こりやすくなります。しかし「尿もれ」はデリケートな悩みのため、病院へ足を運ぶことをためらう人も。
そこで今回は、尿もれや頻尿などの尿トラブルの改善法を、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長の奥井識仁先生と、セントソフィアクリニック院長の伊藤知華子先生のお二人に伺ってみました。
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腹圧性、切迫性、混合性。尿もれにはタイプがあります
尿もれには、大きく分けて3つのタイプがあります。まずは、下記のセルフチェックで、自分の症状がどのタイプに該当するのかを確認してみましょう。
腹圧性(ふくあつせい) 尿失禁
●主な症状
くしゃみや咳をしたとき、重い物を持ち上げたときなど、 おなかに力がかかったときに尿がちょろっともれる
●原因
加齢、妊娠、出産、肥満など
●なりやすい人
出産回数の多い人
太り過ぎの人
便秘症でいきむ習慣がある人
●予防と対策
-スクワット
-「寝たまま」「立って」の骨盤底筋体操
関連記事:「基本のスクワットがお尻の筋力アップに効果的。 寝たままできる体操も♪/尿もれ(5)」
切迫性(せっぱくせい)尿失禁
●主な症状
水が流れる音を聞く、寒い所に急に出るなどのきっかけで強烈な尿意を感じ、もらしてしまう
●原因
過活動膀胱、 骨盤臓器脱などの病気
●なりやすい人
膀胱の神経が過敏になっている人
骨盤臓器脱の人
膀胱炎、尿道炎などの病気がある人
●予防と対策
-スクワット
-「寝たまま」「立って」の骨盤底筋体操
-膀胱の容量を大きくする「青竹踏み」
関連記事:「基本のスクワットがお尻の筋力アップに効果的。 寝たままできる体操も♪/尿もれ(5)」
混合性(こんごうせい)尿失禁
●主な症状
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の症状が、混在して起こるタイプ
●原因
腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁などの尿トラブル
●なりやすい人
腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁などの尿トラブルがある人
●予防と対策
-スクワット
-「寝たまま」「立って」の骨盤底筋体操
-膀胱の容量を大きくする「青竹踏み」
関連記事:「基本のスクワットがお尻の筋力アップに効果的。 寝たままできる体操も♪/尿もれ(5)」
《ほかにもこんなタイプがあります》
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
●症状
「急に我慢できないような尿意 が起こる」「日中に8回以上、夜中に2?3回トイレに行きたくなり起きる」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿がもれてしまうことがある」など。
●原因
膀胱が必要以上に収縮活動を起こしてしまい、尿意切迫感と頻尿につながります。何らかの原因で膀胱の神経が過敏に働いてし まう場合の他、原因が特定できない場合もあります。
●予防と対策
下半身全体の筋力を強化するスクワットや、膀胱周辺の筋力を鍛える 「寝たまま」「立って」の骨盤底筋体操の他、膀胱の容量を大きくするための「青竹踏み」も有効です。
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)
●症状
子宮や膀胱、直腸が下がってきて膣の中に落ち込み、外に飛び出してしまった状態。「膣から丸い異物が出てきているのに触れた」「いすに座ると、陰部の辺 りに何かが押し込まれるような違和感が ある」などと感じたら病院を受診しましょう。
●原因
骨盤底筋が緩んでしまって骨盤内の臓器(子宮、膀胱、直腸)の重さに耐えきれなくなり、 臓器がこぼれ落ちてし まいます。
●予防と対策
下半身全体の筋力を強化するスクワットや、膀胱周辺の筋力を鍛える 「寝たまま」「立って」の骨盤底筋体操を習慣にしましょう。特に、腹圧性尿失禁の症状がある人は積極的に取り組みましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/添田あき