「とりあえずトイレ」は実はNG⁉ 40代から向きあう尿漏れ対策

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尿漏れや便漏れなどの排泄トラブル。歳だから仕方ない......と後回しにしがちですが、健康で快適な暮らしを送るには避けては通れない問題です。そこで、ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所の梅林真紀さんに現代の排泄事情からケア方法までを伺いました。

 

女性は40代で、男性は50代で、3人に1人が尿漏れ経験あり

「尿漏れ」と聞くと、高齢者に多いトラブルと思いがちですが、そんなことはありません。「女性は40代で3人に1人が、男性は50代で3人に1人が尿漏れを経験しています」と、梅林さん。

若くて健康な女性でも、くしゃみや咳をした拍子にちょろっと尿が出てしまう"ちょび漏れ"経験がある人は、今や2人に1人ともいわれるほど。「これは骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こる『腹圧性尿失禁』です。出産や加齢をきっかけに起こることが多いのですが、筋肉の衰えによるものなので、ある意味、あまり動かなくなった現代人らしい運動不足による"現代病"ともいえます」

また、何度も尿意を覚えてトイレに行ってしまう「頻尿」や、急に尿意を感じてトイレに駆け込むけれど間に合わないなどの「切迫性尿失禁」に悩まされ始めるのも、実は40~50代に多いそうです。

たまたま起こったことで、排泄障害というほどじゃない。きっとこんな経験は自分だけだろうから......。そう考えて誰にもどこにも相談せず、適切なケアを怠ってしまうと症状はどんどん進んでしまいます。

「尿をためておく膀胱は、筋肉でできていて風船のようにふくらむもの。個人差はありますが、最大で約500cc程度の尿をためることができます。でも、尿漏れが心配だからと膀胱が満タンにならないうちに尿を少量ずつ頻繁に出してしまっては、筋肉が伸びる機会がなくなってどんどん縮んでいってしまいます。

特に女性は小さいころから『おしっこは我慢しないで、すぐトイレに行きなさい』といわれたり、『おしっこを我慢すると膀胱炎になる』といわれたりすることが多いと思います。そのため、尿意がなくても出掛ける前など念のため......とトイレに行く"ついでにトイレ"が習慣になっている人が、年齢を問わず多い傾向にあります。
最近トイレに行く回数が増えたな、と思ったら、まずはそんな"ついでにトイレ"習慣をなくし、膀胱にしっかり尿をためることを意識しましょう。筋肉トレーニングなので"ちょび漏れ"防止にも効果がありますよ」

ちなみに、おしっこを我慢すると膀胱炎になる、という根拠は明確になっていません。「泌尿器科の医師に聞くと、男性に比べて女性は尿道が短いので菌が入りやすいことを懸念してのことではないか、とのこと」

若くて元気でも"ちょび漏れ"に悩んでいる人は多数。だからこそ、両親の排泄障害を心配する前に、まずは自分のケアから始めましょう。

 

次の記事「高齢者の排泄トラブルには3つの原因があった! 原因を知って対策を(2)」はこちら。

取材・文/岸田直子

<教えてくれた人>
梅林真紀(うめばやし・まき)さん

ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所 研究員。看護師。全国の施設・病院で排泄ケアの実態を調査しながら、紙パンツを使ったトイレ誘導・自立排泄支援の普及活動に携わる。元気なシニア向けの尿漏れ防止講座、紙パンツの使い方講座などの講師として全国を飛び回っている。

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