痔ではなく便秘が原因ですから
おしりがキレイに拭けない原因は?
痔の悩みを抱える人は、自分でも気づいていない出口の便秘の人が多く、排便後、紙に汚れがつくのでおしりを何度も拭いたり、汚れがつかなくなるまで温水洗浄便座で洗ったりしています。しかし、本当に便が正しく排泄されていれば、紙に汚れがつくことはありません。拭いたり洗ったりしなくても、おしりはキレイなはずです。
つまり、おしりがキレイに拭けないのは痔のせいでなく、おしりの中に便が残っているから。おしりに便が残る出口の便秘だから便が肛門を傷つけたり、炎症を起こして、痔や見張りいぼ、肛門ポリープができたりするのです。
拭いた紙に便がつくなら便秘を疑って
温水洗浄便座を使わずに3回おしりを拭いて3回めも紙に便がつくようなら、出口の便秘の可能性があります。排便後のスッキリ感があってもなくてもです。拭いた紙は、排便のバロメーター。汚れが残っていないか、必ずチェックしましょう。
そして、もしあなたがかゆみやただれなど、おしりのトラブルを抱えているとしたら、試しに2週間、温水洗浄便座をやめてください。気になるならたらいでもお風呂でも、ぬるま湯の中でパチャパチャと湯をかけたり、やさしく撫でたりするくらいで十分です。これだけでも、多くの人のおしりの不調が改善します。
便秘なのに痔だと思い込んでいる人が多い
自己診断で痔だと思い込んでいる人に多いパターン。
(1)肛門に異変
洗いすぎて肛門の皮膚を守っている皮脂膜がなくなると、表面が傷ついて痛みやかゆみ、出血などの原因になる。
(2)とりあえず薬局へ
肛門科に行くのが恥ずかしいため、自力で治そうと薬局で薬を買うが、よくわからないのでいろいろな薬を買ってしまう。
(3)かえって悪化
痔を早く治すにはおしりがキレイでなくてはと思い、薬に加え温水洗浄便座を使って肛門を洗っているうちに、皮膚を傷つけてしまう。
(4)やっと肛門科へ
薬が効かず、なかなか治らないうえにだんだんと重症化してきたので、重い腰を上げてようやく肛門科を受診。
(5)衝撃の便秘診断
診察で、痔ではなく「出口の便秘」といわれ、びっくり! 肛門にたまった便を出してスッキリすることで、症状も改善。