おなかがゆるい、下痢をくり返す。実はこれも「便秘」!? 汗や口のニオイにも関係する「出口の便秘」

おならをすると下着が汚れる!

困ったその症状も出残り便が原因かも!?

「下着に便がつく」、「おならをすると便が出る」といった予期せぬ便もれ(便失禁)の悩みを抱えている人が増えています。便のニオイが気になって人づきあいが悪くなったり、仕事や勉強に集中できないなど、さまざまな悪影響を引き起こします。

しかし、筋力の低下している高齢者でも、痔や病気でもなく、このような症状がある場合は、便失禁ではなく「ニセ便失禁」かもしれません。出残り便があると肛門にも便が挟まった状態となることがあり、下着を汚しやすく、おならのような少しの刺激でも便が外に出やすくなって、便もれ事件が起きてしまうのです。

カラダを動かした瞬間に便がポロリ!

肛門は、排便時以外は「肛門括約筋」によって便が外にもれないようにしています。しかし、肛門括約筋は常に一定の力で締まっているわけではなく、便が近くまで下りてくると反射的にゆるむように、締まりがきつくなったりゆるくなったりしています。

まれに、締まりがゆるくなった瞬間に出し切れずに肛門に挟まっていた便がヒョイと外に出て、下着を汚すことがあります。これが、「ニセ便失禁」の真相です。便がもれるのは必ずしも肛門の締まりがゆるいわけではなく、肛門の締まりが正常な人にも起こりうる問題です。

ニセ便失禁による負の連鎖

たとえ「ニセ」でも、便もれは人に相談しづらいセンシティブな問題。

おなかがゆるい、下痢をくり返す。実はこれも「便秘」!? 汗や口のニオイにも関係する「出口の便秘」 ニセ便失禁による負の連鎖

 

佐々木みのり
1912年創立、110年以上の歴史を持つ大阪肛門科診療所の副院長。肛門科女医の草分け的存在。1994年大阪医科大学を卒業後、大阪大学皮膚科学教室に入局。その後、4年間、大阪大学附属病院、大手前病院、東京女子医大病院などで皮膚科医として勤務した後、1998年に肛門科医に転身。同年7月には日本初となる「女医による肛門科女性外来」を開設。「痔=手術」という肛門医療業界において、痔の原因となった「肛門の便秘」を直すことによって「切らない痔治療」を実現。また、元皮膚科医という経歴を持つ異色の肛門科医として、同業の医師を対象に多数の講演を行っている。『痛み かゆみ 便秘に悩んだら オシリを洗うのはやめなさい』(2020年あさ出版)は3万部超えのベストセラーに。「2時ドキッ!」「おはよう朝日です」「痛快!明石家電視台」「世界一受けたい授業」などのテレビほか、多数のメディア出演あり。

※本記事は佐々木みのり著の書籍『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』(日東書院本社)から一部抜粋・編集しました。

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