糖質制限をしても痩せられない、同年代の他の人に比べてシミやシワが多い...もしかしたら、自分の「遺伝子」に合ったやり方をしていないからかもしれません。そこで、これまで約3000人の遺伝子カウンセリングをしてきた植前和之さんの著書『自分の遺伝子がわかる本』(アスコム)より、簡単なチェックでわかる自分の遺伝子に合うダイエットや健康法についてご紹介します。
糖質制限は人によっては生命を脅かすほど危険
私たちのエネルギー源の約5~6割を占める糖質を減らせば、誰でも痩せます。
なぜなら、糖質が少なくなれば、不足するエネルギーを体内に蓄積している脂肪を分解してつくるからです。
世の中にはいろいろなダイエット方法がありますが、糖質制限はもっとも有効な方法といっていいでしょう。
ただし、糖質制限NG遺伝子の人にはとても危険なダイエット。
やってはいけないといってもいいです。
「糖質制限ダイエット」を続けると、生命を脅かすこともあります。
糖質制限NG遺伝子の人は、他の2タイプと比べるとたくさんの糖質を消費します。
他の2タイプと同じ糖質量では足りません。
加えて糖質制限すると、さらに糖質が不足することになります。
この状態が体にとっては大問題なのです。
ひとつは、一時的に血糖値が基準値を下回ることで、低血糖の症状があらわれます。
血糖値とは、血液中の糖質(ブドウ糖)の濃度をあらわす数値で、基準値より高ければ高血糖、低ければ低血糖。
低血糖になると、異常な空腹感やだるさ、冷や汗や動悸、体の震えを感じるようになります。
最悪の場合は意識障害に陥ることも。
極度に糖質が不足すると誰にでも起きる症状ですが、糖質を大量に消費するNG遺伝子の人が糖質制限すると、そのリスクが常にあるということです。
意識障害にまで陥ると脳に影響を及ぼし認知症につながることもあります。
もうひとつは、糖質が極端に不足すると筋肉が減少します。
糖質からつくるエネルギーが不足すると脂肪を分解する話をしましたが、それでも足りないときは、筋肉にあるたんぱく質を分解してエネルギーをつくります。
筋肉は、体の中でエネルギーを消費する最大の器官。
少なくなれば、それだけエネルギー消費が減少します。
摂った糖質を使い切れない体、つまり、太りやすい体をつくってしまうことになるのです。
私がカウンセリングしたなかで、あるひと組の夫婦がいました。
奥さんの糖質制限ダイエットに付き合って旦那さんもはじめたところ、旦那さんのほうだけ体調を崩してしまいました。
遺伝子検査をしたところ、奥さんは超OK遺伝子で、旦那さんはNG遺伝子。
糖質制限してはいけない遺伝子の持ち主の旦那さんの体調が悪くなるのは当然だったのです。
たとえ夫婦でも、遺伝子が異なれば、食事において気をつけることも違ってくるのです。
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6章にわたって「糖質制限遺伝子」や「デブ遺伝子」など、ダイエットや健康にまつわる6つの遺伝子の特性をとにかくわかりやすく解説してくれます!