<この体験記を書いた人>
ペンネーム:王林ナンバー1
性別:女
年齢:40代
プロフィール:エプロンをすると「さ、やるぞ!」と気合がはいる専業主婦です。
子供の頃、祖母宅へ泊まりに行くと掃除の手伝いをしました。
掃除機を一通りかけた後、細いノズルに付け替え、ふすまの角や引き戸のレールなどを最後の仕上げでかけます。
それが楽しかった記憶があり、今でもお掃除は効率よくできている方だと思います。
潔癖ではないと思いますが、部屋がきれいな状態が好きで、主人と結婚した後は新築の家を大事にしながら過ごしています。
そんな時「母と妹はどうしているだろう」と思うことがあります。
若い頃、仕事の都合で実家を出ていましたが、一年に一度ほど帰省することがありました。
1カ月前には母に帰省することを伝えていましたが、帰省しても母はいつも友人とランチなどに出掛けていました。
家の事といえば食事の準備と洗濯くらいで、ほかの家事は月に一度くらいだったようです。
見かねた父が日曜日に家中を掃除機がけし、キッチンもぴかぴか、まな板までも天日干しをするような徹底ぶりでした。
私も帰省と同時に掃除用洗剤などを買い込み、カビのはえたお風呂や、ほこりだらけの廊下の掃除に取り掛かります。
そんな中、母が帰宅しました。
「あれ? 帰ってきてたの~? また掃除してるの? ごくろうさま」と。
悪びれる様子もなく、夕食には買ってきたお惣菜のおかずが並んでいました。
私がきれい好きなのを知っているはずの母。
娘が帰省した時はきれいなお風呂と手作りの食事で迎えてあげようとは思わないのだろうか......と思うのです。
その気持ちをぶつけてみた時がありました。
「娘が帰省するのが楽しみじゃない? きれいにして待っててあげようって思わない? 私はお母さんの手料理が食べたいよ」と。
でも...そう言われて迷惑そうな顔をする母を見た時から、私は帰省をしなくなりました。
その後、妹が結婚、出産したので、実家近くの妹のアパートへ行ってみました。
すると...家の玄関が、玉ねぎやジャガイモ、10人分くらいの靴(妹、旦那、赤ちゃんの3人暮らしなのですが...)、これから出す予定(?)の口の空いたゴミ袋などであふれかえってました。
「あ~あ~」思わず声が出ました。
「この、野菜食べないの?」と聞くと「農家さんからもらった野菜だから、土がついてて面倒なの」と言う妹。
それなら「いらない」と断るか、人にあげるとか、処分するとかすればいいのに。
「お母さんはくる?」と聞くと、一日おきくらいに来ているというではないですか。
しかし「何しに来るの?」と聞くと、孫の顔見に来てお惣菜を買って持ってきてくれると......。
これでは私のかわいい姪っ子が大変だと思い、私が片付けることにしました。
足りない洗剤の買い物と、山になっている洗濯物をコインランドリーに持っていかせ、2時間後に帰ってくるように伝えました。
私は洗濯機を何回も回しながら掃除機をかけるスペースから作り始めました。
何をやってるんだと少し悲しくなりながら作業をすすめました。
夕方になると、出かける前は洗濯前の洋服の上を這うように家の中を歩いていた姪が、タッタッタと走って室内に入ってきました。
その後ろから「あ~転んだら頭を床に打っちゃう」と片付けた私に言う妹。
でもその後「モデルルームみたい」と喜んでくれました。
そしてその後ろから母が入ってきて「よくやるね」と嫌味たっぷりに私にいいました。
その言葉を聞いて...私は「ばかばかしい」と、やっと気づきました。
私がお節介だったと思いますが、掃除しても嫌味を言われるくらいなら、しない方がいい。
妹にも年に一度は顔を見せようと訪ねていましたが、これを機にやめ、実家も妹の家も掃除をしなくなった私は、関係も断ってしまいました。
でも、これ以上あの「汚部屋」に行くのは嫌で、そうするしかなかったのです。
姪は現在、もう高校生になります。
片付けられる子になっていればいいのだけれど、そうなっていたら妹とぶつかるな......と心配に思っています。
■おすすめの体験記
孫が欲しかったけどできなかった私。姉の「孫疲れ」アピールにイライラ
「あんたみたいな嘘つき女が一番嫌い!」大好きな姉に突然告げられ...
私が出産した途端「お祝いは打ち切りにしよう」って...そんな義母と2人の義姉を一喝してくれたのは
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。