糖尿病にも効果あり! 「ホエイ」は膵臓の負担も減らします/10キロ楽にやせる

世に溢れる多くの「ダイエット本」。あなたもそれらのダイエット本を読んで様々なダイエット法を試してみたのではないでしょうか。しかし、食べるのを我慢してすらやせなかったのは、あなたの腸に「おデブ菌」がしっかり棲みついているからかもしれません!

腸内環境・腸内フローラを健康に保てば、あなたも「やせ体質」になれる可能性が......!
5分で作れる「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」などを使って健康的にやせる、画期的「ダイエット」法です。

※この記事は『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く!』(藤田紘一郎/KADOKAWA)からの抜粋です。

糖尿病にも効果あり! 「ホエイ」は膵臓の負担も減らします/10キロ楽にやせる pixta_28147863_S.jpg前の記事「My腸内細菌は生後10か月で決定。自分に合った乳酸菌を見つけよう/10キロ楽にやせる(13)」はこちら。

 

◎やせホルモンは、糖尿病にも効果がある

「やせホルモン」は、小腸で作られるインクレチンというホルモンの総称で、「GLP‐1」と「GIP」の2種類があります。

「ブドウ糖の吸収を抑え」、「血糖値をコントロールするインスリンの膵臓での分泌を促し」、「脳に働きかけて食欲も抑える働きがある」インクレチン。その作用が注目され、糖尿病の薬として開発されて普及しています。
「やせホルモン」は、糖尿病にも効果があるのです。

関連記事:「「やせホルモン」を増やす「ホエイ」は食前に飲むのがベスト/10キロ楽にやせる(10)」

厚労省の「平成25年国民健康・栄養調査」の結果では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、男性で16.2%、女性は9.2%でした。男女ともに年齢が高くなるにつれて右肩上がりに増えています。
「健診で高血糖といわれたことはないから、私には関係ないですね」
と、いわれる方がいますが、専門医は検査数値に現われない「隠れ糖尿病」の人が増えていると考えています。つまり、食生活によって知らぬ間に「糖尿病予備軍」になっている人がいるのです。

糖尿病には1型と2型があり、生活習慣が原因で引き起こされるのは、「2型糖尿病」です。2型糖尿病では、血糖値をコントロールするインスリンの分泌量が減ったり、インスリンが分泌されていたとしても効きが悪くなったりして、細胞がブドウ糖を取り込めなくなります。そのため血液中の血糖値が高い状態が続くのです。

糖尿病予備軍と考えられているのは、「食後の血糖値が急激に上がって下がるタイプの人」です。しかし健診では、お腹の空いた状態の空腹時血糖値を測るため、食後の血糖値が急上昇しているかどうかまではわかりません。

また、血液検査で1~2か月の平均的な血糖値を調べる「ヘモグロビンA1c」でも、食後の血糖値が急上昇して急降下していると、数値が平均化されてしまうので異常が現われにくいのです。
「血糖値が上がって下がって正常値に戻れば、問題はないのではないですか?」
と、疑問を持つ方もいるでしょう。しかし、食後の血糖値の乱高下は、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担をかけるのです。

血糖値を下げることができるのは、インスリンだけです。血糖値が急激に上がると、それを下げるために膵臓はたくさんのインスリンを分泌しなければなりません。毎食このようなことを繰り返すと、膵臓はやがて疲れ果ててしまいます。結果として、インスリンを上手く作れなくなり、分泌量が減って2型糖尿病になるのです。

「私は肥満ではないから、糖尿病予備軍ではないと思います」
と、いわれる方もいます。しかし、糖尿病は肥満と大いに関係しているものの、必ずしも肥満の人だけがなるわけではありません。肥満度を測るボディマス指数(BMI=体重㎏÷身長mの2乗)で、「25」以上は肥満とされますが、25未満の人でも2型糖尿病になる方はいます。

理由は、食生活にあります。ダイエットに関心のある方は、食べる量を控えるなど体重が増えない工夫をされていると思います。ところが、少ない食事でも糖尿病予備軍につながる落とし穴があるのです。
「食事を抜いて、大好きなスイーツを食べました」
このように、空腹の状態で甘いお菓子を食べてしまうと、砂糖は10秒程度でブドウ糖に変わるため、一気に血糖値を押し上げることになるのです。もちろん、ご飯や麵類、パンなどの炭水化物も、体内でブドウ糖に変わるため、炭水化物中心の食生活の人も糖尿病予備軍になりやすいのですが、甘いお菓子が原因の人もいるのです。

●太っていなくても糖尿病予備軍の人はいます

それを改善するために、「やせホルモン」を増やす「ホエイ」は役立ちます。甘いお菓子はやめる必要がありますが、それも無理なく行うことができます。「やせホルモン」は、ブドウ糖の吸収を抑えてくれるため、食後の血糖値は上がりにくくなるからです。

血糖値が急激に下がると、ブドウ糖を栄養としている脳は、体内のブドウ糖が足りなくなったと勘違いして、食欲のスイッチを入れます。

逆に血糖値が穏やかに上がって下がった状態では、食欲のスイッチが入りにくくなるのです。そして、膵臓からのインスリン分泌を後押しするので、膵臓の負担も軽減されます。

食前に飲む「ホエイ」で増やした「やせホルモン」は、減量に加えて、糖尿病予防にも大いに役立つのです。

 

次の記事「「大豆製品・酢タマネギ・ホエイ」はダイエットをサポートする応援団/10キロ楽にやせる(15)」はこちら。

 

 

藤田 紘一郎(ふじた こういちろう)

1939年、旧満州生まれ。医師、医学博士、東京医科歯科大学名誉教授。東京医科歯科大学卒業、東京大学医学系大学院修了後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学教授などを歴任。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会・小泉賞を受賞。1995年、講談社出版文化賞・科学出版賞を受賞。主な著書に『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く!』(KADOKAWA)、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)、『脳はバカ、腸はかしこい』(竺五館)、『腸内フローラ医者いらずの驚異の力』(宝島社) など多数。


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『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く!』

(藤田紘一郎/KADOKAWA)

世の中には様々なダイエット法の情報が溢れていますが、なかなか思うようにやせられないという人も多くいます。

そうした「やせにくい」人は、実は試してきたダイエット法が悪いのではなく、「やせる体質」づくりができていなかったのかもしれません。腸内環境・腸内フローラを整えれば、無理なく目標体重に近づけることも夢ではありません。健康な腸内環境と「やせ体質」が手に入る、「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」の作り方も丁寧に紹介!医師である著者が自信をもっておすすめする、健康的にやせるための画期的ダイエット本です。

この記事は『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法』からの抜粋です
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