「糖質制限=高血糖対策」ではない! 糖質と上手に付き合いましょう/糖尿病

現在、日本国内の患者数は1千万人を超えるとされる「糖尿病」。これはもはや現代の国民病と言えるかもしれません。もしも自分が、家族が糖尿病になったら、予備軍だったら、生活習慣をどのように変えていけば良いのでしょうか。

一生続けられる「血糖値を上げない習慣」について、京都大学医学部附属病院病院長で糖尿病・内分泌・栄養内科教授の稲垣暢也先生にお話を伺いました。

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「糖質制限」すれば、血糖値の低下に効果がある、と思いこまないで!

糖質制限だからご飯、麺類、いも類を全く食べないというのは間違いです。糖尿病は血液中のブドウ糖が増える病気なので、ブドウ糖に分解される糖質を食生活から除外すれば、もちろん血糖値の低下に一定の効果はあるでしょう。
しかし糖質だけが血糖値を上げる原因ではないのです。糖質を制限するだけでは、血糖値が安定しない場合もありますし、我慢して食べたいものを食べないのもよくありません。 


糖質はタバコのように「百害あって一利なし」ではなく、私たちの筋肉や脳を働かせるために必要なエネルギーなのです。さらに脳は他の臓器に比べて、エネルギーをたくさん消費しますし、糖質は脳にとって即効性のあるエネルギーとなります。また体にはエネルギーを貯蔵する脂肪がありますが、脳には脂肪のようなエネルギー貯蔵庫がないため、定期的にきちんと糖質を摂ってエネルギーを補給しないと、エンストした車のように私たちの脳は元気を失ってしまい、日常生活にさまざまな支障が生じます。

「糖質はおいしいから、それを摂らない生活は苦しいものですね。私自身も糖質を全く摂らない生活なんてできません。糖質制限の目安としては1食150g、茶わんに軽く1杯を目安に食べること、たくさん食べすぎないことに気をつけて続ければいいのです」と稲垣先生はアドバイスします。1810p022_01.jpg 

■「糖質制限」のここは良い!
・適度に制限すれば血糖値低下に効果アリ!
・食べ方や組み合わせも一緒に考えればOK!
・肥満の人の体重減少も期待できる!

■「糖質制限」のここはダメ!
・糖質を全く食べずに敵視するのはダメ!
・無理な糖質制限は長続きせず、リバウンドも!
・極端な糖質制限で脳や筋肉がエネルギー不足に!

 


「糖質制限」についておさらいしてみよう!

血糖値を上昇させるのは主に糖質が原因で、食事で摂る糖質を制限すれば血糖値コントロールに効果的という考え方。糖質は白米、うどん、パスタなどの主食やいも類に多く含まれているので、糖質制限=主食のご飯を食べないという意味で使われることもありますが必ずしも正しくはありません。糖質制限を始めると、体重が減ったり血糖値が低下する反面、極端な糖質不足は体に支障を来す可能性があります。

 

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取材・文/宇山恵子 撮影/米山典子

 

<教えてくれた人>
稲垣暢也(いながき・のぶや)先生

京都大学医学部附属病院病院長、糖尿病・内分泌・栄養内科教授。一生続けられる生活習慣を指導しながら糖尿病患者さんと向き合いつつ、先進的研究も行う。

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この記事は『毎日が発見』2018年10月号に掲載の情報です。

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