世に溢れる多くの「ダイエット本」。あなたもそれらのダイエット本を読んで様々なダイエット法を試してみたのではないでしょうか。しかし、食べるのを我慢してすらやせなかったのは、あなたの腸に「おデブ菌」がしっかり棲みついているからかもしれません!
腸内環境・腸内フローラを健康に保てば、あなたも「やせ体質」になれる可能性が......!
5分で作れる「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」などを使って健康的にやせる、画期的「ダイエット」法です。
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前の記事「ショック!やせない原因は「おデブ菌」?「酢玉ねぎ」で「やせ菌」を増やそう/10キロ楽にやせる(1)」はこちら。
◎酢タマネギは2週間で効果がでてくる
強い「食欲」は、封じ込めるのが難しいですね。
朝7時に朝食を食べてお腹が満たされたはずなのに、午前10時頃にはもう空腹感に襲われる方がいます。ダイエットで朝食の量を減らしているとなおさらです。
「午前10時......。昼食まで2時間もあるのに食べたい。でも、食べられない」
そんな心の葛藤があると、仕事や家事などへの集中力も失われがちです。「我慢の限界」といわんばかりに、お菓子などをつい食べてしまう。そんな経験をお持ちの方は少なくないと思います。
我慢の限界はダイエットの高い壁ともいえます。それを越えなければ、ダイエットは成功しません。だから、ダイエットに失敗してしまう人は少なくないのです。成功のコツは、我慢という高い壁を作らないことにあります。それは「酢タマネギ」で実現できます。
「酢タマネギ」は、「やせ菌」の好物とのお話をしました。実は、強い空腹感は、「おデブ菌」と関係しているのです。「酢タマネギ」で「やせ菌」を増やして「おデブ菌」を大人しくさせると、「食べてすぐにまたお腹が空く」といったことを防げるのです。
なぜ「おデブ菌」が強い「食欲」と関係しているかには、いくつもの理由が重なりあっています。
理由:1
「おデブ菌」は、少ない食事量でもエネルギーを生み出し、脂肪組織に脂肪を貯(た)め込むように働きかけます。
一方で全身の細胞は、上手くエネルギー源の「ブドウ糖」を取り込めなくなります。
ブドウ糖は、ご飯やパンなどの炭水化物を食べたときに、消化吸収することで分解されて体内に生じ、細胞のエネルギー源になります。
「おデブ菌」が増殖していると悪玉菌も増えることで、腸の中で酵素やホルモンが作られにくくなります。すると消化吸収の機能が鈍り、ホルモンも少ないために、細胞がブドウ糖を上手く取り込めなくなるのです。
ブドウ糖というエネルギー源が足りなくなるために、脳の細胞も栄養不足を感じて、食欲のスイッチを入れるというわけです。
理由:2
食欲を満たすために、甘いものなどを食べてしまうと、ブドウ糖が血液中にあふれて血糖値が上がります。後ほど詳しくお話をしますが、血糖値の乱高下は、脳に栄養不足になっていると勘違いをさせ、さらに食欲が増すことになります。
理由:3
食欲を我慢すると、脳はストレスを感じます。このときストレスホルモンが放出されて、腸の細菌たちに悪影響を及ぼします。「おデブ菌」や悪い働きをする細菌たちが増えて、幸せ物質と呼ばれる「セロトニン」も減少するため、イライラ感が生じやすくなります。それが、強い食欲をさらに増幅させるのです。
このように、腸内細菌の働きは、脳の働きなどにも影響を与える仕組みを持っています。だから、「食欲が止まらない」といったことも起こります。しかし、「やせ菌」を増やすことで、悪影響も断ち切ることができ、食欲も抑えることができるのです。
「酢タマネギ」を毎回の食事のメニューに加えていると、炭水化物(ご飯やパンなど)中心の食生活の人は「野菜をもっと食べたい」など、2週間程度で自然に食の好みに変化が現われ始めます。
「朝ご飯をしっかり食べたら、お昼頃までお腹が空かなくなった」
これこそが、「酢タマネギ」による変化の兆しです。
●酢タマネギは2週間で食べ物の意識を変えてくれます
「酢タマネギ」で「やせ菌」が勢いづくと、細胞へ栄養素がしっかり届けられるようになります。激しい空腹感からも解放され、集中力が増し、さらに体の活動量も上がるのです。
体重が多いと、「なんだか体を動かすのが億劫(おっくう)」と思いがちで、階段を上るだけで息切れもします。
体重の重みで膝や腰などを痛めていると、身体を動かすことがより苦痛に感じられます。
しかし、体を動かさないと、脂肪はたまる一方です。この状況を「酢タマネギ」が「やせ菌」を増やすことで、自然に変えられるのです。難しいことはありません。
次の記事「半年で無理なく10㎏減も! 5分で作れる「酢玉ねぎ」の効果がすごい/10キロ楽にやせる」はこちら。
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藤田 紘一郎(ふじた こういちろう)
1939年、旧満州生まれ。医師、医学博士、東京医科歯科大学名誉教授。
東京医科歯科大学卒業、東京大学医学系大学院修了後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学教授などを歴任。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会・小泉賞を受賞。1995年、講談社出版文化賞・科学出版賞を受賞。主な著書に『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)、『脳はバカ、腸はかしこい』(竺五館)、『腸内フローラ医者いらずの驚異の力』(宝島社) など多数。