まず、たるみやシワの原因となっているのは、主に次の3つです。
【原因1】皮膚の下にある脂肪層の脂肪量が、年齢とともに減少する
赤ちゃんの顔はまん丸でパンパンですよね。思春期から青年期にかけて少しずつ顔がすっきりしてきますが、まだ皮膚の下の脂肪は満たされています。これが年齢とともに少しずつ減っていきます。つまり、脂肪層の上に元々ピンと張っていた皮膚が、脂肪の量が落ちることで余ってきてしまうのです。これが、たるみをもたらす1つ目の原因となります。
【原因2】皮膚そのものが、体重の増減やむくみなどで伸びたり縮んだりを繰り返すことで、伸び切ってしまう
皮膚の下には、皮下組織や結合組織と呼ばれる成分があります。体重の増減やむくみや加齢で結合組織が次第に緩んでくると、そこにある脂肪が段々と重力に負けて下方に流れてきます。それに引っ張られる形でたるみやシワが発生することが2つ目の原因です。
【原因3】顔の皮膚の下には結合組織や皮下組織の他にも、顔面を動かすための小さくて細い筋肉がたくさん走っている
これらの筋肉を取り囲む組織や筋組織自体も、年齢を重ねることで少しずつ緩んできたり、伸びてきたりします。
ローラーや美顔器は向きが超大事
ではそのたるみが生じた場合には、実際にどのように変化が起こってくるのでしょうか。
まず最初に、たるみは皮膚を構成する各層の老化から始まってきます。皮膚の深層にある脂肪層では、元来は脂肪がその位置から下に下がらないように、繊維から成る結合組織によってあるべき場所に固定されています。
しかしながら、加齢によって脂肪組織やそれを固定していた繊維組織が衰えてくると、重力に耐えきれなくなった脂肪が徐々に下のほうに流れて移動してきます。
たるみの初期はまず、こめかみの脂肪が目元に向かって下垂してきます。次に頬、フェイスライン(顔の輪郭。頬や耳下の付近からあごの下)へと、上から下へと各部位でたるみが進んできます。
こめかみから下に流れた脂肪は目元のたるみに、頬から下に流れた脂肪は口元に溜まりほうれい線に、顔の下部に集まった脂肪は、フェイスラインやあご下のたるみへと姿を変えてきます。
最終的なたるみの発生は、前述したような3つの原因となる真皮層や筋肉層など各層が関係していますが、たるみ部分の正体は本来の位置から下方に流れてしまった「脂肪」なのです。
では、この年齢とともに下方に流れてきてしまった脂肪に引っ張られて、たるんでしまったシワやたるみ、一体どうするのが効果的でしょう。
有効だと思われているローラーのかけ方を紹介します。次のそれぞれで、50回程度を目安にローラーを転がすのがお勧めだと言われています。
・口元から耳へ向かって斜め上に転がすイメージで、頬をリフトアップさせる
・目元から耳のほうへ向かって横に転がす
・眉間から髪の生え際に向かって上へ転がす
これらの動きは、先ほど述べた脂肪組織が下に流れてきてしまったほうの逆に向かって進むイメージです。脂肪というのは皮下では小さな粒々の集合体となっているので、元の位置に戻してあげられれば、たるみも多少は改善する可能性があります。
たるみの原因は表皮そのものの問題というよりは、その下の脂肪組織や結合組織の問題であることのほうが多いのです。
向きや場所をよく考えないでいい加減に使ってしまうと、脂肪組織や結合組織や皮膚を間違ったほうへ刺激してしまうので要注意です。
それと気をつけなくてはいけないのは、皮膚自体が乾燥していて弾力を失ってしまっている場合。この場合は強い力でぐいぐいとローラーをかけることで、乾燥している皮膚にさらにダメージを与えてしまうことになりかねません。しっかりと保湿をして、肌が本来持つ弾力を取り戻すことが先決です。
<結論>
・ローラーや美顔器は、正しい使い方を守る。脂肪が落ちてきたのと逆の向きへ力を加えていく
・皮膚が乾燥している場合は、保湿するのが先決