近年、黒酢が注目を集めています。｢黒酢はお酢の中でも特に健康に貢献してくれるお酢です｣と話すのは、料理研究家で管理栄養士の村上祥子さん。必須アミノ酸9種を全て含むほか、ビタミンやミネラルも豊富です。黒酢を手軽に摂れて、簡単に作れるレシピを教えてもらいました。
1日大さじ1杯の黒酢で元気に！
黒酢が人気を集めているのは、他のお酢よりも豊富にアミノ酸を含んでいて、なおかつ必須アミノ酸9種類を全て含んでいるためです。アミノ酸は臓器や筋肉、骨、皮膚など、私たちの体を作るための基礎となる大切な成分ですが、9種類全てがそろって初めて機能します。また黒酢にはビタミンやミネラルも豊富です。
食べたものをエネルギーに代えるのが、｢クエン酸回路」ですが、これが活発に働くと、疲れにくい体になります。お酢には酢酸が多く含まれ、体内でクエン酸に変化してクエン酸回路を活発にします。昔は酢の物や酢みそあえなどを日常的に摂っていたのですが、健康ブームでさまざまな食材が注目を集める中、お酢は1人当たりの消費量が年々減少しています。
ですが、意識してお酢を摂るようにすると、疲れ知らずで過ごすことができ、さらに高血圧や脂質異常症（高脂血症）、糖尿病の改善にも効果的です。毎日大さじ1杯の黒酢が健康な体作りを支えてくれるので、積極的に摂りましょう。
日本と中国の黒酢って何が違うの？
日本の黒酢は米か大麦が原料で、米を原料にしたものは玄米や発芽玄米を使います。色の濃い熟成黒酢は壺で半年以上の発酵・熟成したもので、アミノ酸を豊富に含んでいます。
中国の黒酢は真っ黒い色ですが、産地によって製法はさまざま。よく知られている鎮江香醋（ちんこうこうず）は、江蘇省鎮江の特産で原料はもち米。芳香が良くまろやか、格別の風味を誇っています。
山西老陳醋（さんせいろうちんす）は山西省の特産。原料となる中国産のとうもろこし、穀類のぬか、ふすまに麹などを発酵・貯蔵して、陳醋（年代物の酢）にします。中国酢もアミノ酸が豊富ですが、やはり中華料理に使うのがおいしいです。
電子レンジですぐ！ 1日大さじ2～3杯で健康効果大！
「バナナ黒酢®」
大さじ1当たり 27kcal／塩分0g
常温で１年保存可能（バナナを取り除いた状態）
バナナ黒酢のうれしい効果
電子レンジを使えばわずか12時間で作ることができ、ほのかな甘みと酸味がおいしいバナナ黒酢。ペクチンやオリゴ糖、カリウムが豊富なバナナと黒酢の組み合わせは、さまざまな健康効果が期待できます。
●血圧や血糖値を改善
●血管の脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ
●体脂肪を減らし、ダイエットに役立つ
●脳を活性化して認知症を防ぐ
●便通を良くして美肌を作る
●むくみが取れ、疲労回復効果が高い
●免疫力を高める
●骨を丈夫にして骨粗しょう症を防ぐ
【材料】（450ml瓶１本分）
バナナ（中ぐらいのサイズ）...1本（正味約100ｇ）
黒糖（粉）...100ｇ
黒酢...200ml
※黒糖の代わりに、同量の氷砂糖、上白糖、グラニュー糖、きび砂糖、はちみつなどを使ってもよい。
【作り方】
１ バナナは２㎝幅の輪切りにする。
２ 乾いた瓶に黒糖を入れ、黒酢を注ぎ、箸等で混ぜてよく溶かす。
３ ２ に１ を加え、ふたをしないで電子レンジ600Wで30秒加熱する。電子レンジから取り出し、すぐにふたをして常温で12時間おいたらできあがり。バナナは１週間で取り出す。
【おいしい飲み方】
朝、昼、晩の食事の前に飲むと、より効果的。そのままでもいいし、水や湯で薄める、ヨーグルトにかける他、ドレッシングに使ってもおいしく味わえます。
氷で割って（写真左）
１人分27kcal／塩分0g
氷を入れたグラスにバナナ黒酢を大さじ１を注ぐ。
豆乳で割って（写真右）
１人分73kcal／塩分0.1g
豆乳100mlバナナ黒酢を大さじ１～２加える。
次の記事「人気の味つけ卵を黒酢で作る！ さっぱりおいしい「黒酢煮卵」の作り方（２）」はこちら。
取材・文／石井美佐 撮影／中野正景
