老化や生活習慣病など、年齢を重ねるにつれのしかかってくる体のこと。そうした不調の予防に「朝ごはんが大切」というのが、医師の今津嘉宏さんと栄養士の今津美幸さん夫妻です。今回は、そんな今津夫妻の共著書『長生き朝ごはん 病気知らずの名医が食べている』(ワニブックス)から、「7つの長生き食材」の一部と食べ方のポイント、さらに10分で作れる「1週間の長生き朝ごはんレシピ」を連載形式でお届けします。
長生きしたいならこれを食べるべき 7大長生き食材
さまざまなポリフェノールが全身の健康を底上げしてくれる「ドライフルーツ」
ドライフルーツは、保存食として重宝されるばかりでなく、生の果物よりも栄養価が凝縮されて増すといううれしいメリットがあります。
果物の甘味の正体は、ブドウ糖、果糖、ショ糖。
糖質の割合は果物によって異なりますが、果糖はブドウ糖よりもゆっくりと吸収される性質を持つ、体に優しい糖質です。
代謝にインスリンを必要としないため、血糖値が上がりにくいとされています。
またドライフルーツには、ポリフェノールが豊富に含まれており、さまざまな健康効果が期待されます。
柑橘類に含まれるフラバノンは、微小血管内皮組織に作用して細胞を活性化します。
ブルーベリー、リンゴ、桃に含まれるプロアントシアニンは、抗酸化作用があり、がんや循環器疾患などの慢性疾患のリスクを減らします。
ブドウ、ブルーベリー、ザクロなどに含まれるアントシアニンは、血管を強くし、眼精疲労を回復してくれます。
ブドウの果皮に含まれるリスベラトロールは、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を阻害し、血液をサラサラにしてくれます。
ドライフルーツは果実の栄養が凝縮されている
ドライフルーツの栄養素は、当然ながら生のフルーツがもともと持っている栄養素に由来します。
また、乾燥の度合いで含まれる成分濃度が変わります。
ドライフルーツに含まれる主な有効成分は、ポリフェノールとカロテノイドです。
ポリフェノールは水溶性です。
カロテノイドは脂溶性ですので、油やアルコールと一緒にとることで吸収率が高まります。
利尿作用があるカリウムも含まれており、むくみを取ってくれる効果がありますが、気をつけたいのは糖質。
健康に良いからといって過剰に摂取すると、肝臓で中性脂肪に変わるため肥満の原因になってしまいます。
ドライフルーツの摂取量は1日50g以内に留めましょう。
料理やヨーグルトにトッピングしたり、小皿程度の量を間食に食べたりする分には問題ありませんので、ご安心ください。
ちなみにドライフルーツというとレーズンやプルーンを想像する人が多いかもしれませんが、干し柿や干し芋も日本伝統のドライフルーツですよ。
主な有効成分・効能
リスベラトロール
アントシアニン(レーズン、プルーン、クランベリー)
βカロテン、プロメライン(パイナップル、マンゴー)
・免疫力アップ
・ストレス解消
・血液サラサラ
・抗酸化
・がん予防
・認知症予防
・骨粗鬆症予防
※このメソッドは著者独自のものであり、効果・効用には個人差があります。
※心配や不安がある場合は、専門家や専門医にご相談のうえお試しください。
撮影/山上 忠
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