老化や生活習慣病など、年齢を重ねるにつれのしかかってくる体のこと。そうした不調の予防に「朝ごはんが大切」というのが、医師の今津嘉宏さんと栄養士の今津美幸さん夫妻です。今回は、そんな今津夫妻の共著書『長生き朝ごはん 病気知らずの名医が食べている』(ワニブックス)から、「7つの長生き食材」の一部と食べ方のポイント、さらに10分で作れる「1週間の長生き朝ごはんレシピ」を連載形式でお届けします。
長生きしたいならこれを食べるべき7大長生き食材
レジスタントプロテインが血糖値を抑え血管を若返らせる「高野豆腐」
1994年、日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんがスペースシャトルに宇宙食として持ち込んだのが高野豆腐です。
高野山で作られていた高野豆腐は、冬の寒冷気候の中で豆腐を凍結させながら熟成した後、湯で解凍し、水を絞り乾燥させたもので、古くから保存食として親しまれてきました。
保存性が良いのは、防腐性(抗菌性)と抗酸化性が高いことを意味します。
高野豆腐に含まれる大豆タンパク質は、加熱後に、加圧、冷却などの過程を経ることでレジスタントプロテインに変化します。
レジスタントプロテインは、血糖値の上昇を抑え、血管の老化を抑え、老廃物の排出を促進してくれます。
レジスタントプロテインには、タンパク質から食物繊維に性質が変わることでカロリーが半分になるという特徴もあります。
なお、同じようにカロリーが半分になるものとして、レジスタントスターチがあります。
豆類、イモ類に含まれ、加熱調理で減少しますが、冷却すると再び増加します。
注目の栄養素レジスタントプロテインを、高野豆腐で手軽に摂取
昔の高野豆腐は、保存性を高めるためにアンモニアを使っていたので、食べるときは湯通しする必要がありました。
しかし、最近の高野豆腐は湯通しする必要がないものがほとんど。
忙しい朝ごはんの時間にも、手軽にとり入れることができるでしょう。
豆腐の大豆タンパク質を加熱した後、冷却することでレジスタントプロテインに変化することは説明しましたが、レジスタントプロテインは、くり返し再加熱をしてもなくなることはありません。
つまり、作りおきしても栄養素は変わらないということです。
ちなみに、レジスタントプロテインと同じ効能があるレジスタントスターチは、イモ類の炭水化物を加熱した後、冷却することで生まれます。
ジャガイモをゆでた後、冷やして食べるポテトサラダは、レジスタントスターチを摂取するためにうってつけの一品です。
主な有効成分(水で戻したとき100g当たり)・効能
カロリー...115kcal
タンパク質...10.7g
カルシウム...150mg
n3系不飽和脂肪酸...0.51g
n6系不飽和脂肪酸...3.25g
・血糖値を下げる
・コレステロール値を下げる
・血液サラサラ
・肥満防止
・腸内環境を整える
※このメソッドは著者独自のものであり、効果・効用には個人差があります。
※心配や不安がある場合は、専門家や専門医にご相談のうえお試しください。
撮影/山上 忠
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