72時間以内が勝負!増殖する前に、抗ウイルス薬でヘルペスウイルスを撃退/口内炎

口内炎とは、口内の粘膜にできる炎症の総称です。頬や唇の内側、舌、上あごなど口内のあらゆる粘膜に炎症を起こす可能性があり、食事をすることがつらくなったり、人と会話をすることがおっくうになったりするなど、痛みや不快感でQOL(生活の質)を低下させます。口内炎といっても原因はさまざま。それぞれ治療方法が違うので、原因に合った治療をすることが大切になります。

さまざまな口内炎の原因、症状、治療法、予防法などを、鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授の中川洋一先生にお聞きしました。

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ウイルス性口内炎には抗ウイルス薬で早めの治療を

口内炎とは、頬の内側、舌、唇の裏、上下あごなど口内の粘膜にできる炎症の総称です。最も一般的なアフタ性口内炎のほか、外傷性口内炎、アレルギー性口内炎、真菌やウイルス、細菌などの微生物に感染することで口内炎を発症するなど、原因によってさまざまな口内炎があります。

そのうちヘルペスウイルスに感染することによって起こる疱疹性口内炎や口唇ヘルペス、帯状疱疹などのウイルス性口内炎の治療にはどのような方法があるのでしょうか?

「ウイルス性口内炎の場合は、アシクロビル、バラシクロビルなどの抗ウイルス薬を使用して治療します。抗ウイルス薬は、ウイルス自体を死滅させるというより、ウイルスの増殖を抑えることが目的になり、如何に早く治療を開始するかが大事になります。通常発症後72時間以内に処置すれば増殖を抑えられるとされています」(中川先生)

では抗ウイルス薬にはどのような種類があるのでしょうか?

●アシクロビル(ゾビラックス錠200/400など)
成人の場合、口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)には1回200㎎を1日5回、5日間経口投与し、帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)に対しては1回800㎎を1日5回、7日間経口投与する。錠剤のほか、シロップもある。口唇ヘルペスの場合はゾビラックス軟膏を塗布する。腎障害があったり、腎機能が低下していたりする場合は、副作用が現れやすいので、注意が必要。

●バラシクロビル(バルトレックス錠500)
目的の部位に薬剤が運ばれたときに最大の効果を示すようにアシクロビルを改良したもの。これによって、投与回数が1日5回から2~3回ですむようになった。口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)には1回500㎎を1日2回、5日間経口投与し、帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)には1回1000㎎を1日3回、7日間経口投与する。腎障害があったり、腎機能が低下していたりする場合は、副作用が現れやすいので、注意が必要。

●ファムシクロビル(ファムビル錠250㎎)
ウイルス増殖に必要なDNAの複製を阻害することで、ヘルペスウイルスの増殖を抑え口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)や帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)などを治療する薬。口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)には1回250㎎を1日3回、5日間経口投与し、帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)には1回500㎎を1日3回、7日間投与する。腎障害があったり、腎機能が低下していたりする場合は、副作用が表れやすいので、注意が必要。

●アメナメビル(アメナリーフ錠200㎎)
抗ウイルス薬の服用中は特に腎機能への副作用に注意が必要だが、近年登場した新薬で、腎機能への負担が少ない点が注目されている。帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)に使用されるが、口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)への適応はない。1回2錠(400㎎)を1日1回食後に経口投与する。原則として7日間投与する。

●ビダラビン(アラセナ-A軟膏3%/クリーム3%)
ヘルペスウイルスの増殖を抑える薬剤で、アシクロビルなどに比べて副作用が強いため、軟膏剤として使用するのが一般的。患部に1日1~4回、7日間塗布する。

 

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取材・文/古谷玲子(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

中川洋一(なかがわ・よういち)先生

鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授。1980年鶴見大学歯学部卒業。2002年同大学附属病院専門外来(現・口腔機能診療科)。日本口腔外科学会認定口腔外科専門医・指導医。著書に『チェアサイド・介護で役立つ口腔粘膜疾患アトラス』(クインテッセンス出版)などがある。

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