「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう

70歳以上の人のおよそ75%もの人に生じる「ふくらはぎの不調」。中でも血管の老化現象の一つである下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、見た目の症状だけでなく慢性的な機能低下につながることも。

ふくらはぎを元気に保つ方法について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にお話を伺いました。

前の記事「ふくらはぎの「こぶ」が血栓形成を促す!? つらさを感じたら改善・治療を/下肢静脈瘤(3)」はこちら。

 

「足のマッサージも、下肢から心臓へ血液を戻すために効果的です。入浴後のスキンケアのときに、足のマッサージを行うといいと思います」

足のむくみ改善で、市販の弾性ストッキングを活用している人もいますね。しかし、医療機関で処方される弾性ストッキングの方が効果があるそうです。下肢静脈瘤と診断されたら、治療と同時にご自身に合った弾性ストッキングを処方してもらうとよいでしょう。

「静脈を強化するには、食事も大切です。ビタミンやミネラル、ポリフェノール類などの摂取を意識して、たっぷりの野菜や、血管の炎症を抑えるオメガ3系の油を取り入れ、こまな水分補給も心がけてください」

ふくらはぎの元気を取り戻してキレイになりましょう!

 

足裏マッサージ

「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_01.jpg入浴後、両手の親指で、足の裏の土踏まずをつま先側からかかと側に向けて指圧します。強い力を入れる必要はありません。

 
すねマッサージ
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両手で足首をつかむようにし、手のひらを足に密着させたまま、足首からふくらはぎ、ひざに向かってさすり上げます。各3~5回が目安です。

 
太ももマッサージ
「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_03.jpg両手のひらを足に密着させたまま、ひざから太もも、足の付け根に向かってさすり上げます。軽くさする程度で、各3~5回を目安に行います。

 

 
弾性ストッキングのはき方

「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_04.jpgストッキングの中に手を入れて、かかとの部分を内側からつまみます。

「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_05.jpgかかとをつまんだ状態で、ストッキングをかかと部分まで裏返します。

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かかとを下側にした状態で、両手の親指と人さし指ではき口を左右に広げます。

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ストッキングに足先からかかとまで入れ、かかとの位置を合わせます。

「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_08.jpg裏返したストッキングの端を持ち、ふくらはぎからひざまで引き上げます。

「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう 1808p067_09.jpg引き上げたストッキングに、しわが生じていないことを確認しましょう。

 

●その他に足を高くして寝る、など
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夜中に足がつったり、翌朝もむくみが取れないときには、つま先がいちばん高くなるように、斜めに足を上げた姿勢で寝るのがおすすめです。

 

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

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阿保義久(あぼ・よしひさ)先生

北青山Dクリニック院長。東京大学医学部卒。東京大学医学部腫瘍外科・血管外科などを経て2000年から現職。下肢静脈瘤の日帰り手術のパイオニア。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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