血流の悪化や筋肉の緊張で引き起こされるつらい肩こりや腰痛。実は猫背と自律神経の乱れがその原因だそうです。今回は医学博士である松平浩(まつだいら・こう)先生に辛い肩こり・腰痛の原因やほぐす体操を教えていただきました。
猫背と自律神経の乱れが肩こりを引き起こす
肩は首や腕を支える役割をしています。肩に負担がかかると、こりや痛みを感じる「肩こり」になります。
肩こりが起こる原因の一つは「悪い姿勢」です。背中を丸めて首が前に出た姿勢では、肩甲骨の周りの筋肉が緊張して硬くなります。
「筋肉が緊張することで血流が悪くなります。そのため、筋肉に老廃物がたまり、血管が圧迫されたりして痛みが現れます」と松平先生は話します。
肩こりのもう一つの原因は、家事や仕事などによる「ストレス」です。ストレスでイライラしたときは自律神経が乱れます。
白律神経は、通常、活動中や緊張状態のときは交感神経が優位になり、休息しているときは副交感神経が優位になります。
「ストレスを感じることで交感神経が優位な状態が続きます。そのため、筋肉が緊張を強いられて肩こりになります」
もし、じっとしていても肩がうずいたりしびれるときは、心筋梗塞の恐れがあるのですぐに医療機関を受診しましょう。
肩こりの原因は2つあります!
ストレス
●仕事、家事などの負担
●人間関係のトラブル、など
↓
自律神経が乱れて
交感神経が優位になる
悪い姿勢
●背中を丸めて食事をする
●猫背で本や新聞を読む、など
↓
首や肩甲骨の周りの筋肉に負担がかかる
肩こり
首や肩、肩甲骨の周りの筋肉が緊張して、肩こりや痛みを感じる。
「肩こり」に影響する肩の周りの骨
鎖骨
肩甲骨と胸の胸骨をつなぐ。
肩甲骨
背中の左右にあり肩や腕を動かす。
上腕骨
肩からひじまであり腕を動かす。
取材・文/松渾ゆかり 撮影/西山輝彦 イラスト/やまだやすこ モデル/永谷佳奈