姿勢や生活の工夫で約9割が改善! 腰椎椎間板ヘルニアの人が日常生活で注意すべきこと/坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて延びている坐骨神経が、さまざまな原因によって圧迫されたり、刺激されたりすることであらわれる、痛みやしびれなどの症状を指します。
坐骨神経痛の原因となる病気はいくつかあり、また、症状がよく似ていても坐骨神経痛ではない場合もあります。そこで、平和病院副院長で横浜脊椎脊髄病センター長の田村睦弘先生に症状の見極め方や治療方法、痛みを改善するセルフケアのやり方などを教えていただきました。

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腰椎椎間板ヘルニアは、姿勢や生活の工夫で約9割が改善!

「腰椎椎間板ヘルニアは、鎮痛薬やブロック療法(※)などで痛みの治療だけを行っても、腰の負担を減らさない限り良くなりません。大切なのは、腰椎椎間板ヘルニアと分かったら、椎間板にやさしい生活を心がけることです。軽症のうちなら、姿勢や生活に気を付けるだけで85~90%の人は、症状が改善します」(田村先生)

※ブロック療法:局所麻酔薬や抗炎症薬で痛みの伝達をブロックする治療法

 

姿勢の悪さや長時間、同じ姿勢でいることが発症の原因となる腰椎椎間板ヘルニアの人は、なるべく背骨を伸ばすようにしましょう。前かがみの姿勢は、変形した椎間板が後ろに飛び出しやすく、症状を悪化させるので極力避けます。また、背骨を伸ばすことを意識するあまり、極端に腰を反らし過ぎるのもよくありません。

座って作業をするときは、横座りやあぐら、体育座りなど、腰を前に曲げる座り方はしないように心がけましょう。腰が沈み込むソファも症状を悪化させるので避けます。また、咳やくしゃみは思いのほか椎間板を圧迫するので、注意が必要です。

椎間板ヘルニアの人が日常生活で気を付けたい姿勢・動作をピックアップしました。思い当たることがあったら、改善を心がけましょう。

●腰椎椎間板ヘルニアを悪化させる姿勢・動作
・重い物を持ち上げる
・柔らかいソファに座る
・前かがみでの台所仕事
・腹筋運動
・横座りやあぐら、体育座り、脚を投げ出して座る
・咳やくしゃみをする

●腰椎椎間板ヘルニアの人にやさしい姿勢・動作
・背骨を伸ばすように心がける
・デスクワークをするときは、机といすの高さを調節する
・正座をするときは、お尻とふくらはぎの間に座布団などを挟む
・流し台を体に合う高さにする。流し台のベストな高さは、【身長÷2+5㎝】
・顔を洗うときは、ひざを曲げるなどして、腰を曲げないようにする
・物を拾ったり、持ち上げたりするときは、ひざを曲げて腰を落とした状態で行う
・禁煙

 
【腰を痛めるいすにご注意!】 
良い姿勢を保ちにくいいすに長時間座ることは、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させます。座面が高く、足が床につかないいすは、腰が反りやすく、腰を痛める原因になります。また、体が深く沈み込むソファも、腰椎に負担がかかるので、できるだけ避けましょう。

ソファに座るときは、上半身を少し起こして背もたれから背中を離します。その状態で、手や前腕を太ももにつけて上半身を支えましょう。背中が曲がり過ぎたり、反り過ぎたりすると腰椎を痛めるので、気を付けましょう。

 

次の記事「前かがみだと痛い! 腰椎椎間板ヘルニアの人は「腰反らし体操」で改善を/坐骨神経痛(19)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美)

 

<教えてくれた人>

田村睦弘(たむら・むつひろ)先生

平和病院副院長・横浜脊椎脊脊髄病センター長、高月整形外科病院・脊椎センター長兼任。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医。『完全図解 坐骨神経痛のすべて 自分で治すプログラムつき』(主婦の友社)、『女性のつらい「坐骨神経痛」はこうして改善する!』(PHP研究所)など著書多数。

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