死にたいと言われたら、ワンオペではなく、チームで支える/堀江貴文「健康の結論」

超・長寿時代の日本を生き抜くために最も重要な資産は「健康」です。複雑な社会をサバイブできるメンタル管理、ワクチン接種で予防できるがんのことなど、堀江貴文氏が医師に聞いた「ホンネ情報」をお届けします。高パフォーマンスで人生100年を生きるためのホリエモン流「ライフスタイル革命論」です。

※この記事は『健康の結論』(堀江貴文/KADOKAWA)からの抜粋です。

死にたいと言われたら、ワンオペではなく、チームで支える/堀江貴文「健康の結論」 pixta_31985280_S.jpg前の記事「自傷を繰り返す「メンヘラ」との正しい向き合い方とは?/堀江貴文「健康の結論」(2)」はこちら。

 

「死にたい」と言われたら、どうすればいいのか
もしも「死にたい」と言われたら、次のことに気をつけて話を聞いてみてほしい。そして、相談を受けた自分と相談者本人が信頼できる第三者を見つけ、支援者につなげていくことだ。自殺未遂をした人のうち「本気で死にたいと思っても相談しなかった」という人は、実に73.9%だという(日本財団自殺意識調査2016)自殺者の多くは一人きりで悩み、問題を客観的に把握し、助けを求める力がかなり低下している。

自殺を考えるほど追い詰められている人に、「なぜ今まで黙っていたのか」と問題を問い詰めることは無意味だ。まずは、ただ黙って聞くことで問題をあぶり出すことが必要である。重々しく捉えなくてもいいが、「愚痴を聞こうか」くらいの構えでいいので、できれば最初はちょっとだけ我慢をしても、話だけは聞くということができたらいい。

【死にたいと言われたら】
・あれこれ口を挟まずじっくり聞く。
・道徳的な考えの押し付けやダメ出し、具体的な解決策はひとまず置いておく。
・ 興味本位で根掘り葉掘り質問しない。話したくないことは黙っていてもいいという態度で。
・簡単に「任せておけ」とは言わない。
・相談先を一緒に考えてみる。他に信頼できる人や専門の機関はどこかを考える。
・「誰にも言わない」という約束はしない。言いふらすことと相談は違う。
・「話してくれてありがとう」と言う。相手が相談するのは良いことだと思えるように。
・過度に共感しなくてもいい。
・自分も第三者に相談する。

 

「身内より他人のほうが話せることもある。」

「第三者」は友人や知人でもいいが、「プロの支援者」のいる機関をおすすめしたい。地域の保健センターや保健所、精神保健福祉センター、医療機関などが挙げられる。

大人である相談者を、友人や知人はともかく病院などの専門の機関につなぐのは、かなりハードルが高いと思われるかもしれない。もしも事態が深刻であるにもかかわらず相手に「秘密にしてくれ」とか「大げさだ」などと拒まれたら、「(相談を受けたことを)自分がどうすればいいか相談してみたいから」と伝えて、まずは自分が連絡を取ってみるのも一つの手だ。

繰り返しになるが、他者を介入させることに罪悪感を感じる必要はない。ずっと辛い気持ちを抱え込んできた人が「心を許せる相手」はそう多くはないため、共感してくれた人には頼りきってしまいがちだ。頼られると、真面目な人ほど「自分しか救える人はいない」などと考えるだろう。しかし、そういうヒロイックな思い込みには注意が必要だ。「ワンオペ対応」は共倒れを招きやすく、結果的にその人を救えないこともあるのだ。

僕はかつて刑務所にいた。刑務所は決して逃げられない牢獄だ。けれども、一般社会は牢獄ではない。会社からも家族などからも、望めばいつでも逃げられる環境だ。物理的には逃げられるにもかかわらず、自分自身で架空の刑務所を作ってしまい、そこから出られなくなるように感じている――問題が複雑に絡み合い、自殺を考える状況に陥っている人は、まさにそんなイメージなのではないだろうか。

その人自身が作っている牢獄は他人には見えないし、こじ開けることは難しい。でも、もしそういう状況にいる人を見つけたら、話を聞いて「ここは刑務所じゃないし」と教えてあげ、できるだけ多くの仲間や支援者につなげていってほしい。

【相談機関の例】
・厚生労働省ホームページ
電話相談を受け付けている「こころの健康相談統一ダイヤル」や、メール・SNS等による相談の窓口が調べられます。

 

僕の結論


□「死にたい人」は、「ほんの少しでも辛さがやわらげば生きたい人」である。

□ 自殺を試みる人の9割はメンタル不調。その人にとって解決しがたい問題を抱えている。

□ 日本では10代のおよそ10人に1人は自傷の経験がある。身近に悩みを抱えた人がいるかもしれない。

□ 死にたいと言われたら、ワンオペではなく、チームで支えよう。

□ 一般社会は牢獄ではない。自分で自分を檻に閉じ込めないこと。


 

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)

1972年、福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting 株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。2010年に創刊した有料メールマガジンは1万数千人の読者を持つ。2014年にスタートしたコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」の会員数は約1600人にのぼり、常時新たなプロジェクトが生まれている。2015年より予防医療普及のための取り組みを開始し、2016年3月には「予防医療普及協会」の発起人となる。主な著書に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『本音で生きる』(SB新書)、『多動力』(幻冬舎)、『むだ死にしない技術』(マガジンハウス)ほか多数。


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『健康の結論』

超高齢化社会の到来が目前となっている日本。人生100年時代に最も必要な資産は「健康」です。本書には堀江貴文氏が各専門分野の医師たちに取材して得た「健康」へのホンネが満載。自殺過多の日本でメンタルを守る方法、ワクチンで防げるがんなど、長寿時代を生き抜くためのホリエモン流「新・健康の教科書」です。

ホリエモンドットコム

・(監修)一般社団法人 予防医療普及協会

・(相談機関)厚生労働省

この記事は『健康の結論』からの抜粋です

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