過剰な防御が原因!「アレルギー」はなぜ起きる?/やさしい家庭の医学

pixta_30253490_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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免疫反応が過剰に起こり、体に障害が
「アレルギー」

●花粉症やアトピー性皮膚炎など
私たちの体に細菌やウイルスなどの異物が入ってきた場合、体はそれを「他者(非自己)」と判断し、抗体をつくり出して防御しようとします。これを「免疫(免疫反応)」と呼びます。
 
免疫は、「疫病(えきびょう)から免(まぬか)れる」という意味です。
また、外からの侵入物にかぎらず、自分の体内にもとからあった物質が「他者」と判断され、免疫反応が起こる場合もあります。
 
このとき、免疫反応が過剰に起こる場合があり、体に障害を与えることもあります。これを「アレルギー反応(過敏性反応)」と呼んでいます。一般的に「アレルギー」といっているものは、アレルギー反応のことをさしているのです。

細菌やウイルスなどの異物を「抗原(こうげん)(アレルゲン)」と呼びますが、抗原が体内に侵入してくると、それをやっつけるためにIgE(アイジーイー)抗体というタンパク質がつくり出されます。すると、同じ抗原が再び体内に入ってきたとしても、すでにつくり出されたIgE抗体がそれにすばやく結びつき、抗原の活動を押さえ込むことになります。
 
これが、いわゆる「免疫がついた」という表現で表されることになるわけです。幼い頃に麻疹(しん)や風疹(ふうしん)、おたふく風邪などに罹(かか)った人がその後に罹ることがないのは、この免疫の仕組みが役立っていることによります。
 
たとえば、花粉症もアレルギー反応の一つです。スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなるわけですが、体内にすでにできたIgE抗体が花粉と結合してマスト細胞(肥満細胞)にくっつくと、マスト細胞の中にあるヒスタミンなどの化学物質が一気に放出されることになります。これが、かゆみの原因となるわけです。


主なアレルゲンの種類

●吸入性抗原
【室内の浮遊物・ゴミ】 :ダニ、細菌、 動物の毛・羽など
【花粉】 :草や木の花粉
【カビ類】 :カンジダ、アルテルナリ ヤ、ペニシリウム、クラドスポリウム など
【その他】 :小麦粉、そば粉、キノコ の胞子など

●接触抗原
薬物、化粧品、塗料、衣類など

●食物性抗原
牛乳(乳製品、バター、チーズなど) 、 鶏卵(マヨネーズ、白身・卵を使用 した菓子類など)、魚介類(サバ、マ グロ、ニシン、イカ、エビ、カキ、カニ など)、肉類(牛肉、豚肉、ハム、ソー セージなど)、豆類(ピーナッツ、クル ミなど)、野菜類(タマネギ、ゴボウ、 セロリなど)など

●薬物抗原
抗生物質、血清、ホルモン薬など


 
また、アレルギーの病気には、気管支喘息(ぜんそく)アトピー性皮膚炎膠原病(こうげんびょう)などが挙げられます。膠原病は全身に炎症が起こる病気で、確かな原因は不明とされていますが、自己免疫の異常によって引き起こされている病気のようです。そのため、膠原病は「自己免疫疾患(しっかん)」ともいわれています。
 
アナフィラキシーもアレルギーの一種で、アレルギー反応の中でももっとも激しい反応を示すものとなっています。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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