2009〜2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は、男女合計で64.1%(男性62.0%、女性66.9%)。つまり3人に2人は、診断から5年後も生存しており、治療により命を救える確率が高いことが示されています(出典:国立がん情報センター「がん情報サービス」)。
舌は、口を開ければいつでも簡単に目で見てチェックできるので、異変にはいち早く気づける部位です。
ところが、舌がんでは、かなり進行してから発見されるケースが少なくありません。歯は気になっても、舌までチェックする人は、残念ながら少ないからです。
舌ストレッチは直接舌がん予防につながるわけではありませんが、舌ストレッチで毎日のように舌を観察していれば、仮に異変が起こっても「あれ、なんかおかしいぞ」とすぐに気づくことができるでしょう。また、数カ月に一度、かかりつけの歯科医でクリーニングなどを行っていれば、その診察時に発見されることもあります。
がんは複雑系ですから、原因を一つに特定するのはナンセンスですが、私は舌力の低下も少なからず関わっていると推測しています。
舌力が低下し、落ち舌になると、下の奥歯に舌が当たりやすくなります。
こうした接触刺激により、がんが発生しやすくなるのです。実際、舌がんは舌縁(側面の歯に当たる付近)にできることがほとんどです。
こうした自覚症状がある場合、とくに口内炎が1週間経っても治らない場合には、できるだけ早めに耳鼻咽喉科で専門的な検査を受けてください。前述の堀ちえみさんも、舌の裏に白いできものができて痛みが収まらないことから(はじめは口内炎と診断されたそうです)、舌がんの発見に至りました。