「嫌だなあ」「困ったなあ」「不便だなあ」...。人は1日にストレスの元になる「嫌なこと」を3万回以上も感じているんだそう。その中で、仕事のストレスは圧倒的な割合を占めています。そこで、『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』(アスコム)から、「嫌なことを逆手にとって仕事の効率をアップさせる方法」など気になる記事を抜粋してご紹介します。
書くことでいったん自分の手から離すことが大切
▼「嫌なこと」は事実のみ書きこむ
「嫌なこと」にあった時のもっとも悪い反応は、ネガティブな感情を引きずってしまうことです。
怒りを声に出して気晴らしするほうが、まだいいでしょう。
なにかと「嫌なこと」を思い出しては、どんどんストレスをためていく。
これが一番よくない。
そうなると負の連鎖が始まります。
イライラする、仕事に集中できない、やる気が出ない、愚痴ばかりになる......、ひどい場合は眠れなくなる、病気になる......。
その対策として、「嫌なことノート」は最適です。ノートに書き出すという行為は、「いったん自分からその事柄を離す効果」があります。
ノートに書き出すことで、自分の頭の中の負の感情を整理できるのです。
整理するときに大切なこと。
それは、「嫌なこと」をノートに書く際には、絶対に感情を書きこまないで、事実のみを書くということです。
「嫌なことノート」には必ず事実のみを書いてください。
「朝6時に起きる予定だったのが7時半に起きた」
「資料が見つからず、企画書が完成しなかった」
「課長に報告書の件でいきなり怒られた」
このように、嫌だった事実だけを書きます。
決して、思いをダラダラと書かないでください。
感情や思いを書き込むと、負の感情を助長してしまう可能性があります。
「書くことで、嫌なことを解消していく」はずが、逆にネガティブな気分がどんどん膨らんでしまいかねません。
実際に起きたことなら、書く数はどんなに多くてもかまいません。
それだけ人生を変えるタネがたくさんあるということですから、多ければ多いほどうれしいくらいに思ってください。
嫌なことはノートに受け止めてもらう
嫌なことノートに受け止めて(書く)もらえば、客観視できて、「嫌なこと」が嫌でなくなっていく
「嫌なこと」には4つのパターンがある
▼「嫌なこと」のパターンをまずは知る
自分の「嫌なこと」を知るためには、「嫌なことのパターン」を知っておくといいでしょう。
「嫌なこと」を分類すると、次の4つのパターンがあります。
その1 自分に起きた「嫌なこと」
その2 自分の身のまわりの他人に起きた「嫌なこと」
その3 自分がやってしまった「嫌なこと」
その4 テレビ、新聞、ウェブや、街中などで見た「嫌なこと」
嫌なことパターンその1は、自分が感じることなので、最も見つけやすい「嫌なこと」だと思います。
「午前中にペーパーレス化を宣言しながら、夕方には紙にまとめてくれって、部長は何を考えてるの?」
「これで今日の報告書何枚目だっけ。意味あるのかなあ」
「絶対に課長が間違えているのに、最後まで認めないんだな。まいったな」
「目標を達成したときくらいほめてほしいなあ」
「毎朝、会社が厳しい話ばかりされたら、やる気がなくなるよな」
ちょっとしたことはすぐ忘れてしまう
さらに些細な嫌なこともけっこうあるはずです。
「トイレが汚れていた」
「デスクの角にホコリがかぶっていた」
「先輩にくだらない自慢をされた」
そのときは、ちょっとイラっとくるかもしれませんが、電話がかかってきたり、他の人から声をかけられたりすると、すぐに忘れてしまったりしているはずです。
でもこういうこともちゃんと「嫌なこと」として認識してください。
自分がした「嫌なこと」ほど気づかないものはない
嫌なことのパターンその2は、他の人を見ていて感じる「嫌なこと」です。
「会議で発言にひどいダメ出しをされた先輩」
「書いてきた企画書にため息をこぼされた部下」
「社員に上から目線で指示を出されている派遣社員」
当事者が実際に嫌だなあ、困ったなあと思っているどうかわかりませんが、自分がその立場だったら嫌だなあと思うことも結構あるものです。
日頃から、「他人の嫌なこと」にも目を配っていると、観察力や、課題発見力が身につき、いろいろなことに気づけるようになります。
嫌なことパターンその3は、自分がしてしまった「嫌なこと」。
実はこれがいちばん気づきにくい。
「間違いに気づかず、指摘された」
「お客様に怒鳴られるようなことをした」
「上司に怒られるようなことをした」
と相手が反応してくれたときは、自分が何か「嫌なこと」をしたことに気づけるのですが、知らないうちに相手に対して「嫌なこと」をしていることもあるはずです。
人は自己肯定するのが得意なので、気づくのは簡単ではないかもしれませんが、「自分は人に嫌なことをしていないか?」を考えてみるだけでも大切です。
けっこう思い当たることが出てくるかもしれません。
テレビドラマは「嫌なこと」を発見する最高のツール
嫌なことパターンその4は、テレビや映画、単行本、新聞、ウェブ、雑誌などや、街中で偶然出合った「嫌なこと」です。
報道されるニュースやドラマのセリフ、小説の主人公の態度、電車の中でのマナー違反など。
「国会で、答えたくない質問にはひと言も発しない政治家」
「ドラマで、息子の話を何も聞かずに、けなし続ける父親」
「ドラマで、部下のミスばかりを探して、見下す上司」
テレビドラマなどはキャラクターが誇張されて表現されていることも多く、「嫌なこと」にも気づきやすいのです。
「嫌なこと」4つのパターン
【まとめ読み】『書くだけで人生が変わる嫌なことノート』記事リストはこちら!
嫌なことを書くことは客観視することのはじまりをテーマに全6章にわたって「嫌なことノート」の効果や方法を解説してくれます