アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:リビングの暗がりで膝を抱え...。目を手術した姑に起きた「異変」/かづ
緑内障と白内障の手術をして以来様子がおかしく、家の中を真っ暗にして過ごしていた姑。
それからは、毎日毎日、映画館の様な暗室のマンションに通い、台所だけ電気を点けて食事の用意をし、食べられる様にしては電気を消した。
真っ暗の中、食べる時だけダイニングテーブル上の電気だけを点け、舅と姑は食事をする。
そして、食べ終われば消すのである。
洗濯する時は洗面所だけ電気を点け、洗濯が終われば消して、リビングの横の部屋からベランダに出て干す。
姑はいつもリビング隅に、毛布に包まって膝を抱えて座っているか、ソファーで横になっていた。
掃除機を使う時だけ、寝室に移動して貰った。
自分の妻がこんな状態にも関わらず、暗室の中でテレビを観ては笑っている舅が異様だった。
お決まりの様に、夫はパッタリと姑宅には行かなくなった。
自分の親のそんな姿を見たくは無いのだろうが、夫の場合は「関わりたく無い」が一番だったに違いない。
そしてその日が来た。
夜中に電話が鳴った。
舅からだった。
時計を見ると、午前2時だった。
「お母ちゃん、そっち行ってないか~?」
「いいえ、来てませんけど??」
「12時頃にトイレに立ったと思ったら、玄関が閉まる音がしてな。てっきりそっちに行ったと思とったんやが、今目が覚めたらまだ帰ってないんでな。」
「はあ??」
あんな状態の姑が、夜中に勝手に出て行っても、息子宅に行ったと思うか普通??
それも、そのまま舅は寝てしまったと。
そして、2時間も経過してから気になったと言う訳だ。
昼間の2時じゃなく、夜中の2時に。
どんだけ無関心よ!
夫婦喧嘩をするたびに、必ず夫は姑を
「第三者として立ち会って貰う!」
として、何時であっても呼んでいたので、舅は息子夫婦の喧嘩の仲裁に行ったと思ったらしい。
(自分を全面的にかばう母親を第三者と言う夫も夫だが、姑の状態が、息子夫婦の喧嘩の仲裁が出来るくらいの程度だと思っている舅に驚きだ。)
私は着替えて探しに出た。
姑は、すぐに見つかった。
マンションから出てすぐのバス停付近を、ずっとウロウロしていた様子だった。
パジャマのままで、上には何も羽織らず、足は裸足だった。
姑から私の顔が見える様に前から近づいて、
「お義母さん♪ 帰ろ♪」
と、手を握って言った。
姑は私に
「あぁ、かづー! あんた、この近くに詳しいん?」
と言った。
その後、姑の話した事は、明らかに徘徊の症状だった。
「私の家はね、○○駅の線路のちょっと行った所でね。誰かに連れて来られたみたいなんやけど、帰り道が解らん様になってしもてね。どないして帰ったらエエか、かづ知ってるか?」
「お義母さんの家はコッチやで」
自宅に帰るように促したが、姑は突然顔つきがきつくなり
「ソッチや無いよ! あんたも私を閉じ込める気やな! タクシー呼んで!!」
と言って暴れて逃げようとした。
「お義母さん、タクシーは8時過ぎにならんと呼んでも来てくれへんよ。とりあえず、帰るにしても着替えして靴履き替えなアカンでしょ? ひとまず、休ませて貰おうな」
姑はお出掛けの時にはタクシーをよく使っていたので、タクシーは朝8時からと具体的に言うと理解できたようだ。
憑き物が落ちたように両手をだらりと下ろした姑は
「あんたはこの辺に詳しいんか?」
と聞き、
「一応ね♪ さぁ、行こ♪ 行こ♪」
と私は姑の背を押して自宅まで歩いた。
姑はタクシーを呼ぶ時間まで、暫く休ませて貰える所に案内して貰えると思いながら、私に手を引かれている。
歩きながらも姑は
「かづの知り合いでも住んでんの? ここら辺詳しいんやね~。あんた、昔ココに住んでたんか??」
と喋っていた。
そんなに突然、それも急速に認知症から徘徊にまでなるものだろうか。
私はとりあえず姑を家にまで連れて行けば何とかなると思っていた。
続く
【次のエピソード】認知症らしき症状が出ている姑をどうすれば...。「まるで他人事」な夫と舅にブチッ!/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
【まとめ読み】凄絶な嫁イビリに、夫との対立...。かづさんの記事一覧
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