家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
●新築と同じ住宅性能にはならない
リフォームとは、英語でもなく純粋な日本語でもありません。
一言でいえば和製英語といったほうが正しいと思います。
ではどのようなことがリフォームに当てはまるのか、結論は「原状回復」です。
傷んだ所を修理する。
あるいは劣化が進んで本来の機能を果たさなくなった所を交換する。
雨樋(どい)や外壁の塗り替え、住宅設備機器の取り替え等、家族構成の変化に合わせての間取りの一部変更も広い意味でのリフォームといえます。
ここで気をつけていただきたいのは、「大規模なリフォームを行えば新築と同じ住宅性能を確保できる」と勘違いをしないことです。
安易な構造変更は、建物本来の強度に悪影響を及ぼすこともあります。
現在お住まいの建物の基本構造はあまり変えないで、本来もっている性能や快適さを今まで以上に高めていくのは可能です。
ただし、新築と大きく違うのは、今あるものを撤去したり、あるいは補強したりする必要があるので、費用や工期も思った以上にかかってしまうことです。
しかし、ほとんどのケースでは大規模なリフォームを行っても新築ほどの費用はかかりません。
また、リフォームと一口にいっても、できることとできないことがあります。
たとえばマンションでは共有部分と専有部分があります。
玄関ドアなどを変えたくても共有部分なので制約があります。
窓サッシも同様です。
●まずは家族で話し合って計画を立てる
多くの方が新築にするか、リフォームにするかで迷ったとき、リフォームを選択するのはなぜでしょうか。
その理由としては、ご自分が長年住んでいた家ですから、他人にはわからない愛着があるからでしょう。
そしてリフォームの計画を立てるときは家族で話し合ってみてください。
ライフスタイルや自分たちにとってどのような住み方が理想なのか、どう住みたいかなど10年、20年先の変化も考えて話し合うことが必須です。
リフォームの打ち合わせを進めていくうちに、当初は「ほんの少しだけ手を入れて、傷んだところを修理して」というつもりだったのが、ついでにあそこもここもと見積り項目が増えていくことが多いようです。
マンションも一戸建ても同じですが、完成したときから劣化が始まります。
リフォームで、きちんと手入れをされた家と、何の手入れもされない家では傷み方も違ってきます。
●思いつきのリフォームだけは避ける
リフォームは実は新築よりはるかに難しく手間がかかります。
残す部分とリフォームをする部分とのつながりが自然に見えるようにするのが、上手なリフォーム。
それなりの専門知識をもった担当者との打ち合わせが必要です。
「新築の大工さんとリフォームの大工さんは別」といわれているくらい、リフォームには熟練度が要求されます。
家族の考えを一つにまとめ、それをリフォーム会社に細かく説明することがよいリフォームには不可欠です。
そうしなければ、単に修理だけで終わり、不満ばかりが残るといったことになりかねません。
「どう住みたいか」は「どう生きたいか」と同意義。
よく考えて、思いつきのリフォ―ムだけは避けたいものです。
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全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています