周囲に認めてもらえない...そう孤独を感じるあなたへ。心療内科医が勧める「自分への質問」って?

40~50代になって「老後の孤独」が頭をよぎるなら、「心の自立」が足りていないからかもしれません。そこで、「孤独との向き合い方が大切です」という心療内科医の反田克彦さんの著書『孤独を軽やかに生きるノート』(すばる舎)から、「無自覚の寂しさ」への対処法をご紹介します。

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寂しさに気づくことから始まる

期待に反して周りに認めてもらえなかったり、身近な人とお互いに理解し合えないことに気がついたりすると、孤独を感じます。

そういうときは、自分の状態や気持ちを段階的に言葉にしてみましょう。

自分を客観的に見つめるために、自分で自分に質問してみてください(注意点は、質問に「どうして」を使わないこと)。

とくに攻撃的な気持ちになっているときは、その一部に「寂しさ」が含まれていることがあるので、注意深く見極めてほしいと思います。

寂しいから怒りが湧くというのは珍しいことではありません。

気持ちは自覚できるだけでも効果があり、冷静になって次に進みやすくなります。

以下に、具体的な例を挙げてみます。


自分に質問する例①

〈今の状態を説明してください〉

クビを切られました。

自分で選択したことにはなっているのですが。

別々の部署から5人が集められました。

お互いに面識のない40代後半から50代の社員です。

何もない部屋で待機させられていました。

何年も前の資料の整理です。

2ヵ月間余り。

〈思い当たる理由はありますか?〉

確かに会社に評価されるような業績はあげてはいませんでした。

でもまさかこんな目に遭うとは想像していませんでした。

派遣の会社がリストラを請け負っているらしいです。

そのためのマニュアルが、人事部に置いてあるのを見た人がいます。

辞めろとは一言も言われません。

ですが、この会社に残っても、今後私が実力を発揮できる仕事はないと繰り返し言われました。

新天地で自分の力を試してみないかと言われて、断ったからです。

〈それでどう感じました?〉

こんな理不尽なことは許せないと思いました。

若いうちは安い給料でこき使って、給料が高くなるとクビを切るのですから。

でも、そんなことを言っても、僕がみじめなことに変わりはなかったです。

会社に残ってほしいと言われなかったのだから。

一体僕は何のために生きているのだろう。

僕に価値はあるのかってずっと考えていました。

情けなかったです。


自分に質問する例②

〈今の状態を説明してください〉

気がついたら夜中に食べていました。

冷蔵庫にあったものすべて。

〈思い当たる理由はありますか?〉

虚しかったんだと思います。

食べればその空虚が埋まるような気がして。

無心に食べているとそのときだけは落ち着くんです。

〈日々の生活に不満があるのでしょうか?〉

仕事はうまく行っています。

焼きもちを焼かれるほど。

前は小さな広告代理店に勤務していましたが、みんなの後押しもあって独立できました。

今はフリーランスでウェブデザインの仕事をしています。

最近、大手からも受注が来るようになりました。

〈他に気になっていることが?〉

常に誰かに追われているような気持ちです。

自分一人でやっていると、困ったときも誰かに甘えることはできません。

自分のことを評価できるのも自分だけです。

本当は会社にいたときみたいに、言われた仕事をきちんとこなして、上手くできたらほめてもらうほうが自分に合っているのかもしれない。

そうですね、やっぱり誰かにほめてほしいんです。


いかがでしょう。

こんなふうに自分の状態を段階的に見ていくと、自分が何に傷ついているのかや、何を望んでいるのかにたどりつきやすくなります。

納得がいかないことがあったり、自分には生きている意味がないと感じるようなときは、ぜひ自分に質問してみてほしいと思います(ただし、気分の落ち込み度合いが深い方は、カウンセラーなどの専門家に相談して質問してもらうようにしてください)。

ちなみに、ふたつめの過食の例は、強いストレスを感じた女性が陥ることがある症状で、「赤ちゃんのときのように、無条件に愛されたい」という願望のあらわれのことが多いです。

ここまでひどい状態でなくても、ストレス状態のときに甘い物を食べるとひとまず心が落ち着くという人は多いですよね。

それは赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲むのと同じ効果があるからです。

何か寂しい...そんな人に。「孤独を軽やかに生きるノート」記事リストはこちら!

104-H1-kodokuwokaroyakani.jpgノート式の認知行動療法!5章にわたって書き込み、読み進めていけば、「あなたの孤独」がわかります

 

反田克彦(そりた・かつひこ)
1957年生まれ。あさなぎクリニック・心療内科院長。順天堂大学医学部卒業。山梨大学、HANAZONOホスピタルを経て、あさなぎクリニックを開院。家庭裁判所の嘱託医や山梨県教育委員会産業医などを歴任し、講演活動も多い。精神科専門医、精神保健指定医、医療観察法判定医など多くの学会に所属。著書に『人見知りが治るノート』(すばる舎)がある。

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『孤独を軽やかに生きるノート』

(反田克彦/すばる舎)

家庭や職場に居場所がない、訪れる老いが心配…そんな孤独のもととなる拒絶や脱落、喪失といった不安を、「認知行動療法」で軽くしていきます。自分を理解する助けになるチェックリストや書き込み欄も充実。孤独と向き合い、楽しみ、備えるために、役立つ一冊です。

※この記事は『孤独を軽やかに生きるノート』(反田克彦/すばる舎)からの抜粋です。

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