「終活」は、「いつかやること」と、何となく考えている人が多いようです。これから先の暮らしをより良く生きるために自分らしく生きていくとは何か、考えてみませんか。今回目は、終活カウンセラー協会代表理事の武藤頼胡さんに、終活とは具体的にどのようなことをするかを教えていただきました。「自分の体について知ること」など、「これが終活なの?」という新しい発見もあるかもしれません。
エンディングノートを書く
終活の第一歩として、エンディングノートを使うのは分かりやすい手段。
自分の過去、現在、未来について記録することで、自分自身が何に対して不安を感じているのか、どんなことを考えているのかが見えてくるでしょう。
お墓について考える
自分の入るお墓はありますか?
「先祖代々のお墓はあるが、継承者ではないので入れない」「遠くてお参りしづらい」という方もいるでしょう。
納骨堂を購入済みの場合、自分も入るのか、利用期限についても確認が必要。
これからの人生について考える
終活は人生の終焉の準備ではなく、新たなスタートを切るための準備です。
これから先の人生で、会ってみたい人や行きたい場所、やりたいことなどを考えてみましょう。そして、それらを楽しんで実践しましょう。
自分の体について知る
年に一度、健康診断を受けていますか? 健康診断を受けることで、自分の健康状態を把握できます。
自分自身や家族が病気になったり、要介護状態になったときはどうしたいかなど、家族で話し合うきっかけにも。
お葬式について考える
お葬式の一般的な費用はどのぐらいか、喪主になってもらいたい人は誰か、どんなスタイルのお葬式にしたいか
(一般的な葬儀、家族葬、無宗教葬など)などを考えてみましょう。
遺影写真の撮影を行う人も増えています。
大切な人へ思いを伝える
両親や兄弟姉妹、配偶者、子供、友人など、これまで関わった人たちへ、思いを伝えることはとても大切なことです。
言葉にするのは恥ずかしいという人は、手紙やエンディングノートに記しておくのもいいでしょう。
お金について把握する
経済状況をきちんと把握することは、未来の人生設計にも関わります。
預貯金や負債、保険、株式証券、不動産、各種カード、各種ローンなどについて確認を。
また、この機会に各種の契約内容をあらためて確認しましょう。
持ち物の現状を知る
死後、遺される家族は行政的な手続きや遺骨、相続関係の処理など、行うことが山ほどあります。
その上、故人が遺した物の整理や処分は大変。身の回りの整理を行うことは自分にも家族にも大きなメリットとなります。
延命治療について考える
介護や闘病に携わる家族は、時に重い決断を迫られることがあります。
病名告知や余命宣告を受けるか、延命治療を望むか、その場合の費用はどうするかなど、考えてみましょう。希望を記しておくことも大切です。
取材・文=笑(寳田真由美) イラスト/石坂香