「平成」の時代も残すところあとわずか。近年は"ロボット"に関する技術が目覚ましい進歩を遂げており、介護の現場への導入も期待されています。しかし実際の高齢者たちは、ロボットによる介護についてどのような考えを持っているのでしょうか。
ロボットによる介護、どう思う?
今年11月に老人ホーム運営などを行う「オリックス・リビング株式会社」が、「介護に関する意識調査」の結果を発表。「今後介護される立場になった場合、介護ロボットによる身体介護を受けたいですか」という質問に、71.2%の人が「推奨されていれば受けてもよい」と回答しました。
「積極的に受けたい(13.1%)」という回答の割合を合わせると、肯定的な考えを持っている人は84.3%という結果に。ちなみに同アンケートで「推奨されていれば受けてもよい」「積極的に受けたい」と答える人の割合は年々上昇傾向にあり、2016年は77.7%、2017年は80.2%となっています。
今年のアンケートで理由として多かったのは、「ロボットは気を遣わないから(51.3.%)」「本当は人の手が良いが気を遣うから(27.2%)」といった回答。"人の手"による介護に何らかの心理的負担を感じている人が多いようです。
そんな同アンケートに、ネット上では「時代は変わったな...」「なんか無機質な世の中になりそうで悲しい」「誤作動とか起こしたら怖いな」といった声が。一方で「確かに自分が介護されることを考えると、他人に汚いところを見せたくないしロボットの方がいいかも」「ロボットでもできることはロボットにやってもらいたい」「最近では要介護者への虐待とかもニュースでみるし、そんなことされる位ならロボットがいいな」といった意見も寄せられていました。
介護の現場で期待される「アイオロス・ロボット」とは?
"ロボットによる介護を受けたい"という人も多いようでしたが、ロボット介護の最先端はどのようになっているのでしょうか。今年注目を集めたのは、世界最大規模の家電イベント「CES2018」で発表された「アイオロス・ロボット」。AI・機械学習機能を搭載したヒューマン支援ロボットで、人間の生活における様々な作業をサポートしてくれるそうです。
また「アイオロス・ロボット」は、学習した内容をクラウド上で複数のロボットと共有・フィードバックが可能。刻々と変化する環境やその周囲の人々に適応することができます。また「AIビジョンセンサ」を搭載しており、人の顔やモノ、テキスト、環境情報を認識するのも大得意。日本には来年上陸するとのことで、「"おもちゃ"じゃない本物の人型ロボットがついにやってくるのか...」「はやく実物を見たい」「どこまで"学習"し"判断"できるんだろう」といった声が上がっていました。
"ロボットによる介護"が当たり前になる時代は、もうすぐそこまで迫っているのかもしれません。
文/藤江由美