家の名義は? 自宅以外の土地はある? 「親の不動産」について知っておくべきことは

縁起でもないこととはいえ、ある日突然親の死に直面する可能性はだれにでもあります。そのときに困るのが親の死後のお金の問題。遺産は前もって内容を知っておかないと、手続きに膨大な時間がかかったり、負債を抱えてしまう可能性も...。親が元気なうちにしっかり把握しておきたい相続問題のあれこれ。ぜひ、知っておきましょう!
『レタスクラブ』2018年11月号で特集された記事をご紹介します。

家の名義は? 自宅以外の土地はある? 「親の不動産」について知っておくべきことは 15.png前の記事「どうする? 親の遺産分け。相続でもめないために「金融資産」について知っておくべきこと(3)」はこちら。

 

不動産について知っておきたいこと

親の住まいをどうするかは、相続の最大のテーマです。兄弟姉妹のうち誰かが住むならいいけれど、空き家になったまま持ち続ければ、固定資産税や維持・管理の費用も大きくなります。将来、親の世話をどうするかも含め、方針を話し合っておきましょう。家を買った頃の話から始めれば、親の思いや、本当はどうしたいかなどを話してくれそうです。
特に、その土地に代々住んでいるようなケースでは、家の名義や、空き地など自宅以外に持っている土地がないかも尋ねてみましょう。

また、親がアパート経営などをしていれば、借金があることも。「あれ、どうなってるの?」と、ストレートに聞いてみてはどうでしょう。

 

親の住まい
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●まずは親の希望を聞くこと。購入価格や名義も確認を
「いずれは子どもと同居したい」「売って老人ホームの入居費用にしたい」など、まずは親の希望を聞きましょう。もし売るつもりなら、購入時の価格が分かる書類の保管場所も聞ければベスト。また、敷地が借地だったり、共有名義だったりすることも。自宅の名義はぜひ確認して。

 

アパート・貸家・貸地
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●借金の有無や管理方法など現状を聞いておく
親がアパートや貸家など不動産経営をしているなら、借金の有無や管理方法、経営状態について聞いておくことは欠かせません。また、貸地がある場合は、借り手に借地権が発生するのが普通です。過去の経緯や現状を確認しておきましょう。

 

裏山・竹やぶ

家の名義は? 自宅以外の土地はある? 「親の不動産」について知っておくべきことは 18.png●親の住まい以外の土地はすべてリストアップ
特に地方の家では、自宅以外に複数の土地があることも。貸家や貸地のほか空き地や裏山、竹やぶなど、所有する土地はすべてリストアップしてもらいます。使いみちのない土地は親にとってもお荷物のはず。その近所で買い手を探すなど、早めの対策をお願いしましょう。

 

共有名義の不動産は将来、たいへんなことになる!?

不動産を相続するとき、兄弟姉妹で共有名義にすることは昔からよく行なわれています。でも、共有名義の不動産は売るときに全員の同意が必要で、意見が合わないことも多いもの。さらに共有者が亡くなれば、その子どもたちが相続することになり、どんどん共有者が増えて、土地は売るに売れない事態に。もし実家が共有名義になっているなら、親に頼んで、共有者と話し合うなど対策を始めてもらいましょう。

金融資産よりも遺産分けがたいへんな不動産。特に地方出身者は、年末年始の帰省時など親や親族と事前に話し合っておく、いい機会かもしれません。

 

次の記事「地方にある実家は売れる? 相続税が心配...お金のプロにぶつけてみた「相続」の疑問アレコレ(5)」はこちら。

取材・文/有山典子 イラスト/前田はんきち

 

 

<教えてくれた人>
北見久美子(きたみ・くみこ)さん

ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーとして情報を発信。著書に『親のお金の守り方』(朝日新聞出版)など。

この記事は『レタスクラブ 2018年11月号』に掲載の情報です。

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