既に、空き家を持っている人は待ったなしの状態です。まだ空き家は持っていないが、親の家、あるいは自分の家が将来的に空き家になる可能性がある人は、いまから対策を考えておきましょう。オラガ総研代表取締役社長の牧野知弘さんにお聞きしました。
空き家の老朽化が進んでいる場合は更地として活用できます
空き家の老朽化が進んでいる場合は、更地にすることで活用できます。売ることはもちろん、期間を決めて貸し出したり、ニーズがあれば駐車場やアパートを建てて運用する方法も考えられます。ただ、売れる当てもないのに、早まって更地にするのはやめましょう。例えば100万円、200万円の解体費をかけて更地にして売れなかったら目も当てられません。
また、家を取り壊すと「小規模住宅用地の特例」の対象から外れます。結果、固定資産税の軽減措置がなくなり、税金の負担が重くのしかかります。
親から自分への名義変更を忘れずにしておきましょう
既に、リフォームを済ませていたり、立地が駅近など、空き家としての価値が良好なら売却や賃貸に回せる可能性があります。これからリフォームを検討する場合は、春や秋など、物件が動く時期に完成するように、逆算して計画を立てるといいでしょう。
もし、買い手がいるなら少々安くても売却するのが得策です。売却時に譲渡税はかかりますが、毎年かかっていた固定資産税がなくなります。売る場合に注意したいのが、空き家の名義です。まだ親のままなら、早めに名義の変更が必要です。
いずれにしても、思い出のある実家なだけに、家財道具の片付けなどで時間がかかることが予想されます。早めに取りかかるようにしましょう。
次の記事「空き家を持ち続けると年間10万円以上の負担がのしかかる/空き家と相続(2)」はこちら。
取材・文/金野和子
<教えてくれた人>
牧野 知弘(まきの・ともひろ)先生
オラガ総研代表取締役社長。ホテルや不動産の開発・運用アドバイザリーの他、市場調査や執筆・講演活動を展開。『[図解]実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)など著書多数。
牧野 知弘(まきの・ともひろ)先生
オラガ総研代表取締役社長。ホテルや不動産の開発・運用アドバイザリーの他、市場調査や執筆・講演活動を展開。『[図解]実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)など著書多数。