地方にある実家は売れる? 相続税が心配...お金のプロにぶつけてみた「相続」の疑問アレコレ

縁起でもないこととはいえ、ある日突然親の死に直面する可能性はだれにでもあります。そのときに困るのが親の死後のお金の問題。遺産は前もって内容を知っておかないと、手続きに膨大な時間がかかったり、負債を抱えてしまう可能性も...。親が元気なうちにしっかり把握しておきたい相続問題のあれこれ。ぜひ、知っておきましょう!
『レタスクラブ』2018年11月号で特集された記事をご紹介します。

19.png前の記事「家の名義は? 自宅以外の土地はある? 「親の不動産」について知っておくべきことは(4)」はこちら。

 

知っているようで意外に知らない相続のあれこれ。モヤモヤ気になっていることも多いのでは? よくある疑問をファイナンシャルプランナーに聞いた対談は、高齢の親のことが気になる私たちこそ必読! また、相続時にあると役立つ、親の財産の書き留め用メモも紹介されているので、ぜひ参考にしたいものです。


相続とか古い一軒家とか不安がいっぱい!

詳しい人:北見久美子さん(以下、北)
新潟県出身。1人暮らしの母の遠距離介護を続け、最近見送ったばかり。お金のプロ&先輩として、相続初心者にアドバイス。

聞く人:編集K(以下、K)
茨城県出身。一戸建ての実家に70代の両親が2人で暮らす。本人も東京に住む弟も地元に戻る予定がなく、両親のことが気にかかる。

K 相続のことって気にしていても、親も元気で、まだまだ時間があると思うと、つい後回しになってしまいます。
 そうなりますよね。でも、時間ってあるようで実はないんですよ。年に2回帰省するとして、あと何回会えるか。
K 本当ですね......。実家は一軒家ですが、弟も戻るつもりはなさそうだし、いずれは売ればいいのかな、と漠然と考えているんです。
 売れればいいんですけどね。場所にもよりますが、今は地方の一軒家はなかなか買う人がいないんですよ。
K えっ! 売れないんですか!?
 例えば、隣の家の人に買ってもらうとか、地元で時間をかけて探さないと、売るのはかなり難しいと思ってください。
K う~ん、困ったな。家を売れば、財産をキッチリ分けられると思ってました。相続って、財産を法定相続分どおりに分けるんですよね?
 法定相続分どおりだと、もしお父様が亡くなって、家族がお母様と子ども2人なら、お母様が2分の1、子どもが4分の1ずつになりますね。でも、法定相続分どおりに分けなくてもいいんですよ。もし遺言書があればそのとおりに、遺言書がなければ相続人全員で話し合って分け方を決めるのが基本です。
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K 話し合いなら、気が楽です。
 いえいえ、相続でもめるケースはすごく多いですからね。仲のいい家族でも財産のことは、慎重にことばを選んで話さないといけません。意見が合わないときの判断基準が法定相続分なんですよ。
K ......分かりました。気をつけます。弟は相続税のことも気にしているんですが、相続税って財産が少なくても、必ずかかるんですか?
 いいえ。相続税がかかる人はほんの一部です。統計では、実際に相続税がかかったのは、亡くなった人のうち8%くらいなんですよ。基礎控除が3000万円、さらに相続人1人につき600万円の控除があるので、子ども2人だけなら4200万円までかかりません。
K そうなんですか! 安心しました。
 でも、本当に相続税がかかりそうなときは、早めに専門家に相談をしてください。税金のことなら税理士ですが、相続に関する幅広い悩みなら、FP(ファイナンシャルプランナー) に相談するのもいいですよ。日本FP協会では無料相談も行なっています。相続のことは地域でも違うので、地元の事情に詳しい人に相談するといいですね。
K 両親や弟と、もっと話してみます。ありがとうございました。

 

聞いたことを書き留めておく「親の財産メモ」

親の財産について知っていること、これまでに聞いた覚えのあることを、そのまま書き留めます。内容はアバウトで大丈夫。兄弟姉妹や親に聞いて新たに分かったことは修正・追加して。コピーして兄弟姉妹に渡すのもGOOD! 情報共有に役立ちます。ただし、親との関係性を壊さないためにも親の前では書かないようにし、保管場所にも気をつけましょう。


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いかがでしたか。対談では、実はそれが気になっていた!ということがあったのでは? 
「時間があるようで、実はない」と指摘されていたように、親と話せる時間にはそれほど余裕はありません。この機会に、必要最小限のことだけは、ぜひ聞いておきましょう。

 

取材・文/有山典子 イラスト/前田はんきち

 

<教えてくれた人>
北見久美子(きたみ・くみこ)さん

ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーとして情報を発信。著書に『親のお金の守り方』(朝日新聞出版)など。

この記事は『レタスクラブ 2018年11月号』に掲載の情報です。

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