義母の介護中に夫が亡くなり、すぐに義母も他界。妻の住む家がなくなる...どうすればいい!?/もめない相続

1806p095_01.jpg生きていると、何回か相続を経験する可能性があります。一般的には夫の両親や自分の両親、そして配偶者などの相続です。この相続によって、それまで家族関係に何ら問題なかった親族、あるいは兄弟姉妹の関係が一変することが多々あるようです。つまり、もめるのです。

少しでももめない相続にするにはどうすればいいのか、相続問題に詳しい税理士の板倉京先生にケース別にアドバイスを伺いました。

前の記事「「もめる相続」の約半数以上は5000万円以下の遺産分割/もめない相続 (1)」はこちら。


◆ケース1
義母の介護中に夫が亡くなり、すぐに義母も他界。
妻の住む家がなくなりそう

【相談内容】
夫の純二さんが亡くなった後、同居の義母のみつさんとの2人暮らしだった康子さん。子どもはいません。みつさんは2年前から介護が必要となり康子さんが1人で介護をしていました。純二さんには2人の兄弟がいますが、遠方に住んでいるためか世話をしにきたことはありませんでした。その後、家・土地の名義人のみつさんが亡くなりました。財産は少しの貯蓄と自宅のみ。これら財産の相続人は2人の兄弟です。兄弟は、自宅を売却し2人で分けたいようですが、そうすると康子さんの住む家がなくなってしまいます。

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【先生のアドバイス】
養子縁組や生命保険の加入、そして遺言書などの方法から選択

残念ながら、康子さんは相続人ではないので遺産分割の対象外です。家については、できればそのまま住めるように、夫の兄弟との話し合いが必要です。

このような事態になる前にとるべき対処法がありました。まずみつさんと養子縁組をしてもらう方法です。ただし、義母と養子縁組をすると、夫の兄弟とも姉妹となります。兄弟に子どもがいない場合、兄弟が亡くなったときに康子さんにも相続の権利が発生するなど、ややこしいことになる可能性があります。

二つ目は、康子さんに財産を残すという遺言書をみつさんに書いてもらう方法です。とはいえ、後から兄弟が遺言書を書き直させることもあり得ます。それを防ぐ方法として、康子さんに家をあげるとする「死因贈与契約」という方法もあります。この契約で法務局に不動産の仮登記ができるので、兄弟が勝手に家を売却することが難しくなります。

また、みつさんが康子さんを受取人にして生命保険に加入するという選択もあります。

 

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取材・文/金野和子 イラスト/坂木浩子

<教えてくれた人>
板倉 京(いたくら・みやこ)先生

税理士。女性開業税理士で組織された㈱ウーマン・タックス代表。相続・贈与等個人資産に関する税務・保険が得意。講演活動も行う。著書に『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)などがある。

この記事は『毎日が発見』2018年6月号に掲載の情報です。
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