遺産をアテにしてるわけじゃないけれど。「両親の財産」を把握するために踏んでおきたい「3つの段階」とは

縁起でもないこととはいえ、ある日突然親の死に直面する可能性はだれにでもあります。そのときに困るのが親の死後のお金の問題。遺産は前もって内容を知っておかないと、手続きに膨大な時間がかかったり、負債を抱えてしまう可能性も...。親が元気なうちにしっかり把握しておきたい相続問題のあれこれ。ぜひ、知っておきましょう!
『レタスクラブ』2018年11月号で特集された記事をご紹介します。

 

10.png前の記事「突然の親の死...どうする私!とならないために、まずは知っておきたい「相続」手続きのスケジュール(1)」はこちら。

 

◆親と財産の話をスムーズにする方法

親とはいえ、財産の話はしにくいもの。ストレートに聞いてしまうと遺産をアテにしていると疑われる可能性も...。関係を壊さないように、切り出すタイミングと聞き方には細心の注意が必要。兄弟姉妹で作戦会議を開くのもオススメです。
「大きく3段階踏む。決して一気にやろうとしないこと」が財産確認時の鉄則。その3段階を詳しく見ていきましょう。

 

段階1 親に財産について聞く

とはいっても、いきなり「財産はどれだけあるの?」などと切り出せば、親が不信感を持ってしまうかも。親に対して「感謝してる」「気にしてるのよ」という気持ちを伝えながら、焦らず少しずつ聞き出しましょう。そのタイミングと切り出し方を紹介すると――

●家族旅行中に「新婚旅行、どこに行ったの?」
7.png家事から解放される家族旅行中はゆっくり話すチャンス。親に新婚旅行のことを聞けば、家族の思い出話で盛り上がるはず。「私たちの教育費、たいへんだったでしょ」「老後資金は大丈夫?」と、感謝の気持ちを込めつつ、お金の話につなげていくといいでしょう。

 

●軽い入院中に「入院費の支払い、大丈夫?」
8.png軽いケガや白内障など、ちょっとした入院のときに「入院費は大丈夫?」と聞けば、「退職金があるから」などと預貯金の話をしてくれそう。「医療保険に入っている?」と聞けば、加入状況を教えてくれるかも。とはいえ入院中なので、サラッと聞くだけにして。

 

●お盆中に「お布施って、いくらくらい渡すの?」
9.pngお盆帰省はお墓やお寺のことを聞く絶好機。「一度聞いておきたかったの」といえば、お墓や先祖の話から実家の土地や田畑、貸地などの話に発展しそう。お布施の金額から「高いのね。払っていける?」など、現在の収入や預貯金の話に持っていく方法も。

 

段階2 兄弟姉妹で情報を交換する

兄弟姉妹がいるなら、全員で連絡を取り合い、各自が持っている情報を持ち寄る作戦がオススメです。「たくさん保険に入ってるみたい」となれば、話し上手な弟が詳しい話を聞きに行くなど、みんなで協力して全体像をつかみます。相続の"仕切り人"も決めておきましょう。

 

段階3 家族みんなで財産について話し合う

「お父さん、将来この家をどうしたい?」など、親の希望を聞くのは家族全員が集まったときがベスト。「今度のお正月に集まったら話そう」などと、兄弟姉妹で打ち合わせましょう。こうした話をするときは後にシコリを残さないよう、家族といえどもことばづかいには充分気をつけて!

なるほど、こうして徐々に段階を踏んでいけば、親との関係を壊さずに財産について事前に把握することができそうです。日頃の親とのコミュニケーション不足も解消できる、この鉄則。ぜひ覚えておきたいものですね。

 

次の記事「どうする? 親の遺産分け。相続でもめないために「金融資産」について知っておくべきこと(3)」はこちら。

取材・文/有山典子 イラスト/前田はんきち

 

 

<教えてくれた人>
北見久美子(きたみ・くみこ)さん

ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーとして情報を発信。著書に『親のお金の守り方』(朝日新聞出版)など。

この記事は『レタスクラブ 2018年11月号』に掲載の情報です。

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